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オンライン会議のマナーとは? 場所を選ばないスタイルならではの暗黙のルール~オフィスのお役立ちコンテンツ

2024.04.24
広瀬敬代

ビジネスマナーは信頼関係を築いて事業を円滑に進めるために身に付けたいビジネスパーソンの常識だ。DXの推進で多様化するビジネススタイルに適応するよう、ビジネスマナーもアップデートできれば、業務はよりスムーズになる。今回はコロナ禍を経て新しいビジネススタイルとして定着した、オンライン会議のマナーについて紹介する。

手間要らず! どこでも誰でも開催できる手軽さがオンライン会議のメリット

インターネット上で行われる会議=オンライン会議が当たり前に行われるようになったのは、なんといっても新型コロナウイルス禍の影響だろう。ビデオや音声通話を利用し、リアルタイムで参加者全員が顔を見ながら会話をすることができ、従来の対面会議と違い、国や地域、時間や場所の制約がないことが一番のメリットだ。会議室を借りるなどの手間とコスト、出張費用なども必要ないので、企業側にとってもメリットは大きい。従業員(あるいは参加するメンバー)からすると、移動の負担が軽減される点も大きいだろう。このため、多くの企業で新しいビジネススタイルとして取り入れられている。

オンライン会議に必要なのは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスと安定したインターネット接続、オンライン会議ツールだけ。会議に必要な書類は事前に送るほか、会議中に画面を共有しながら進められるので効率的だ。紙のコスト削減にもつながる。

表情や雰囲気をしっかり感じ取れないのが、デメリット

手軽でコストダウンにもつながるオンライン会議だが、デメリットがあることは覚えておきたい。

例えば、直接顔を合わせることがないので、お互いの表情や雰囲気が読み取りにくいことが挙げられる。特に人数が多い場合は発言やリアクションがかぶったり、通信環境や場所によって聞き取りにくかったりする場合もある。重要な会議やプレゼンテーションを行う場合は、よく相談したうえで対面かオンライン会議にするかを決め、失敗や後悔がないようにしよう。

また、パソコンや通信関係が苦手な人や、通信環境が整備されていないと、オンライン会議が成り立たないこともあるので、事前の確認は丁寧にしたいものだ。

対面とは違う、事前準備、会議中のマナーが重要

オンライン会議の場合、場所や時間を選ばずに開催できることから、気軽に考えがちだが、だからこそ、しっかりマナーを守って良い印象で臨みたいものだ。そのために抑えておきたい基本的なマナーを紹介する。

【準備編】
会議がスムーズに進行するように準備を進めておくのが基本。

・会議の日時を事前に決めて、参加者に招待状を送信する。
・招待状には、会議の日時、オンライン会議ツールリンク、アクセス方法、パスワードなどを忘れずに伝える。
・会議の目的、アジェンダ、資料などを事前に送信しておく。
・デバイスのカメラ、スピーカー、マイクの調子を確認する。
・通信環境が安定している場所を選んで参加する。
・招待した側は5分以上前からリンクを開き、招待者からアクセスがあったらすみやかにつなげるようにする。
・招待された側は開始時間に入るのではなく、少し前にリンクから参加要請をしておく。

【会議中】
話をしやすく、課題がまとまりやすくするためのマナーを心がけよう。

・会議の始まりと終わりのあいさつは、対面での会議時よりも丁寧にゆっくりと行う。
・自宅でのオンライン会議でも、服装、身だしなみをきちんと整える。トップスだけ整えて、ボトムスは部屋着のままだと、ちらついて見えてしまうこともあるので注意。
・カメラをONにする。
・名前やオンライン名刺を表示する。(初対面同士の場合は特に忘れずに)
・背景に参加者が気になるようなもの、会議の妨げになるようなもの、プライバシーがわかるようなものが映り込んでいないかを確認。バーチャル背景を使用する場合は、情報量が少ないものにする。
・マイクやスピーカーを調整して、ハウリングやノイズがないようにする。
・発言をしないときは、ミュート、マイクをオフにする。
・可能な限り、イヤホンを使用すると周りに情報が漏れ聞こえることを防げる。
・相手の話に対して、うなづいたり、表情を変えるなどのアクションをしっかり伝わるように表現する。言葉でいうとかぶってしまうこともあるので、動作で表現したほうが伝わりやすい。

【会議終了後】
・会議で必要となった書類の送信はなるべく早めに行う。
・会議参加のお礼メールをする。

セキュリティー、時間制約、コスト面などさまざまなオンライン会議ツール

オンライン会議のツールは、大きく2つに分かれる。ベンダーのサーバーにアクセスしてシステムを利用する「クラウド型」と、会社内にサーバーを設置してシステムを運用する「オンプレミス型」だ。一般的なのは、コストを抑えられてすぐに利用できる従量課金制の「クラウド型」。自社のセキュリティーポリシーに合うものが必要な場合は、「オンプレミス型」がおすすめだ。ここでは手軽なクラウド型を紹介する。

おすすめのクラウド型

Zoom
映像や音声、画面共有、チャットも利用できる。送られてきたURLをクリックするだけで会議に参加でき、事前登録やログインは不要。無料版(通話時間40分制限あり)と有料版(通話時間無制限)がある。
Zoom

Microsoft Teams(ビデオ会議、ミーティング、通話 | Microsoft Teams)
Office365ユーザーであれば利用できるビジネス向けのコミュニケーションツール。最大300人まで参加可能。多くの言語を翻訳できる機能もある。個人向け(無料)と法人向けのプランがある。
Microsoft Teams


Google Meet(Google Meet: ビジネスで使えるビデオ会議ツール | Google Workspace)

Googleアカウントを持っていれば誰でも参加できる。無料で100人まで利用できる。カレンダーやスプレッドシート、文書作成ツールなど、Googleアプリケーションとの連携ができるのがメリット。

Google Meet

まとめ

オンライン会議は、新しいビジネススタイルとして、これからはもっと活用されるシーンが増えていくだろう。最近では、同時翻訳やリアルタイムで議事録を作成するソフトも登場(donut AI | donut robotics)。オンライン会議はさらに成熟したものになりそうだ。オンライン会議ツールは無料版もさまざまなので、自分で開催する際に慌てないように、社内会議でいろいろ試して使いやすいものを選ぶといいだろう。