皆さんは「承認欲求」という言葉に、どのようなイメージをお持ちでしょうか。目立ちたがり。周りの目を気にしすぎている。プライドが高い。このように、承認欲求にはネガティブなイメージが先行しがちです。特にマネジメントの現場では、承認欲求が高いメンバーは扱いにくい存在と捉えられてしまうことも少なくありません。
しかし、承認欲求は本来、自己効力感や達成感といったポジティブな方向へと昇華させることが可能なものです。承認欲求を避けずに向き合うことで、仕事をするうえでの強い動機づけとなるため、むしろ「なくてはならないもの」ともいえます。
今回は、称賛・承認を起点とした組織づくりの最前線で企業の組織変革に伴走してきた私が、承認欲求が仕事に与える可能性と、その活かし方について前編・後編にわたって解説します。「承認欲求が高いメンバーがいて困っている」「メンバーの承認欲求をうまく満たしてあげたい」とお考えの方は、ぜひお役立てください。
近年、大企業を中心に多くの日本企業で「ジョブ型人事」の導入が進んでいます。その背景には、事業環境の変化の速さ、求められる専門性の高度化、人材の流動化、そして年功序列や終身雇用といった旧来の日本型人事の限界があります。
誰に何を担ってもらうのかを職務として明確化し、役割と責任に基づいて配置・評価・育成を行うことの重要性は、これまで以上に高まっています。そのため、等級制度や評価制度の見直し、職務の明確化に取り組む企業は確実に増えてきました。
一方で、現場からは別の悩みも聞こえてきます。制度は整えたはずなのに、うまく回らない。考え方は整理したのに、現場の判断や運用は以前とあまり変わらない。そうした声です。
ジョブ型人事において、本当に難しいのは制度をつくることではありません。むしろ、その制度を日々の現場運用に落とし込み、継続的に機能させることにあります。制度導入までは進んでも、運用の段階でつまずいてしまう企業は少なくありません。本稿では、日本企業が直面しやすいジョブ型人事の“運用の壁”について考えていきます。































