3社に2社が人手不足 東商と大手人材サービス6社が連携へ

東京商工会議所 人材支援センターは、2024年4月8日より、会員企業における「人材の確保・採用」の支援を目的に「人材支援プレミアムサービス」を開始したことを発表した。中小企業の人手不足が深刻化する中で、大手人材サービス会社6社と連携し、人出不足解消を協力に支援していくとしている。

東商、人材支援プレミアムサービスを開始

東京商工会議所 人材支援センター（以下、東商）は、4月8日から会員向けサービスとして「人材支援プレミアムサービス」を開始した。同社と日本商工会議所の調査によれば、中小企業2988社のうち65.6％の企業が人手不足と回答しており、3社に2社が人手不足の厳しい状況が続いているという（※1）。こういった背景を受けて、東商は大手人材サービス提供事業者6社と連携し、企業から中堅・中小企業の多岐に亘る採用ニーズに応え、人手不足解消を強力に支援するとしている。

※1 出典元：「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査」の集計結果について～中小企業の65.6%が人手不足と回答、賃上げ実施予定の企業は６割を超える～（東京商工会議所 産業政策第二部）

学情やリクルート、マイナビなども連携

今回、東商と連携する人材サービス会社は、株式会社学情、株式会社キャリタス（旧社名：株式会社ディスコ）、ディップ株式会社、パーソルキャリアコンサルティング株式会社、株式会社マイナビ、株式会社リクルートの6つ。新卒やミドルシニア、即戦力、その他の4種類に合わせてプランを提供する。プランとサービス名の主なものは下記の通り（※2）。

【人材支援プレミアムサービスの支援対象と各会社のサービス名】
■【新卒】新卒者に自社をPRしたい！
あさがくナビ、マイナビ2025
■【ミドル・シニア】ミドル・シニア人材を紹介してほしい！
パーソルキャリアコンサルティング
■【即戦力】幅広い人材に自社をPRしたい！
バイトルNEXT、バイトルPRO
■【その他】契約社員、パート・アルバイトを募集したい！
バイトル、はたらこねっと

※2 出典元：人材支援プレミアムサービスパンフレット（東京商工会議所）

まとめ

中小企業庁調査室の資料によれば、商工会や商工会議所などの支援機関を活用する企業は8割以上と支援機関が地域の中小企業にとって重要な存在だという。一方で支援機関自体も人員不足やノウハウ・知見不足について課題があげられていた（※3）。

今回の取り組みは、人材確保が課題の中小企業と支援人員、ノウハウ不足が課題の支援機関の両方を解決するサービスだとも言える。人材確保に課題を感じている企業は、社内環境整備とあわせて、こういった支援機関のサービスも視野に入れてみてはいかがだろうか。

※3 出典元：2024年版中小企業白書・小規模企業白書概要（案）p32（中小企業庁）