立替精算は一社あたり月1500件発生 約3割が「不正利用を見聞きしたことがある」
働き方を変えるDXサービスを提供するSansan株式会社のインボイス管理サービス「Bill One」は、経費精算に関わるビジネスパーソン1044名(経理担当者:726名、経理担当者以外:318名)を対象に「経費精算に関する実態調査」を実施。経理担当者以外も多く関わる経費精算業務において、インボイス制度の影響もあり負担が増加傾向にあることを受け、経費精算の課題を明らかにした。ここでは調査結果の概要についてお伝えする。
調査概要
調査名:経費精算に関する実態調査
調査方法:オンライン上でのアンケート調査
調査地域:全国
調査対象:経費精算に携わるビジネスパーソン1044名(経理担当者:726名、経理担当者以外:318名)
調査期間:2024年4月16日~2024年4月19日
調査企画:Sansan株式会社
出典元:Sansan、「経費精算に関する実態調査」を実施~インボイス制度で負担増、一社あたり月1500件の立替が発生。約3割が経費の不正利用を見聞きしたことがあると回答~(Sansan株式会社)
一社あたり月1500件以上の立替精算が発生
本調査ではまず、立替経費精算はひと月あたり何件程度発生しているか質問。その結果、平均で1518件発生している実態が明らかになった。
本調査では(一社あたりの経理担当者人数)×(経理担当者一人あたりが立替経費精算にかけている時間)を掛け合わせ、立替経費精算に月間でどの程度の時間を費やしているか分析。経理担当者は毎月平均104時間を費やしていることが明らかになった。
続いて本調査は、立替精算に対して感じている課題について、経理担当者と非経理担当者のそれぞれの回答を報告。
経理担当者は「インボイス制度で求められる要件を満たすかどうかの確認に手間がかかる(35.0%)」「月末月初など特定の時期に業務が集中してしまう(33.3%)」「不備発生時の確認や差し戻しに手間がかかる(31.1%)」が上位に。
非経理担当者では「立替分が入金されるまでにタイムラグがある(40.6%)」「申請のための処理が煩雑(38.1%)」「インボイス制度で確認の手間が増えた(33.3%)」が上位となった。
「少額」「面倒」が理由で立替精算をしなかった経験「ある」約4割に
次に本調査では、非経理担当者に、これまで立替精算をしなかったことがあるか質問。その結果「ある」と回答した人は38.1%であったという。立替精算をしなかった理由としては「金額が少額だった(61.2%)」「精算の手続きが面倒(51.2%)」が多く選択されている。
また、毎月立替精算を1件以上しているビジネスパーソン(経理・非経理問わず)に対して「所属企業において社員が経費を不正利用した噂を見聞きしたことがあるか」との質問には、34.8%が「ある」と回答したことも明らかになった。
まとめ
本調査からは、立替精算が経理担当者・非経理担当者の双方にとって負担になっていること、インボイス制度の開始によりその負担がさらに増加していることが明らかになった。
こうした現状への支援策として、同社はビジネスカード活用によって立替経費そのものをなくすことを提案。ビジネスカードを活用すれば経費の使用先、内容をより把握しやすくなり、立替経費の不正利用への対策にもつながるだろう。
また同社は、今後提供を予定しているサービスにおいては経費精算業務に領域を拡大し、経理担当者の業務改善を支援すると発表(※)している。本調査では立替精算が月間平均1500件以上発生し、経理担当者は平均で月間100時間以上を費やしている実態が報告されている。ビジネスカードやツールの活用で効率化を実現できれば、経理担当者の業務負担は大きく軽減されることだろう。改めて自社の経費精算業務の実態と効率化を見直す機会としてみてはいかがだろうか。
※Sansan株式会社「Bill Oneが「Model 4」に進化。請求書受領から請求書発行・経費精算に領域を拡大〜銀行代理業も開始し、月次決算のリアルタイム化を目指す~」(2024年5月21日発表)