働く人の半数以上がカウンセリングへの興味関心を示すも、抵抗感やハードルの高さが課題か マイシェルパ調査
株式会社マイシェルパは、10月10日の世界メンタルヘルスデーに向けて「メンタルヘルスとカウンセリングに関する意識・実態調査」を実施した。同社によれば、日本ではカウンセリングの普及率が低く、メンタルヘルスケアの推進に影響をもたらしているという。メンタルヘルスケア、特に早期介入としてのカウンセリングの普及は、自殺防止や職場環境の改善への効果が期待されるとして、本調査の実施に至った。
2024年の世界メンタルヘルスデーのテーマは、「今こそ職場でメンタルヘルスを優先しよう」。同社ではそれに基づいて20歳〜59歳のビジネスパーソンを対象に、メンタルヘルスとカウンセリングに対する意識や実態について探った。
※本アンケートにおけるカウンセリングとは、専門的な知識を持つカウンセラーが、相談者との対話を通じて心の問題や悩みを解決したり、自己理解を深めたりするための援助活動や心理療法を指す
調査概要
調査内容:メンタルヘルスとカウンセリングに関する意識・実態調査
調査方法:インターネット調査
調査実施日:2024年9月30日 ~ 10月1日
有効回答数:320
調査対象者:20歳~59歳の会社員をはじめとするビジネスパーソン
出典元:マイシェルパ
※集計値は端数処理をしているため、総数と内訳の合計が一致しない場合がある
関心は高いものの心理・費用・時間面などに抵抗
本調査では、半数を超える約53%の人が重要性(16.9%)や興味関心(35.6%)を示しており、年齢別に見ると20〜30代を中心にその重要性が認識されていることが報告されている。一方、「カウンセリングに対するあなたの感覚について、最も近いもの」を選ぶ設問では、「抵抗感やハードルがある」人が47.5%という結果に。その理由としては「心理的に抵抗感がある(56.5%)」「費用面で抵抗感がある(52.7%)」「時間的に抵抗感がある(49.6%)」「信用性でハードルがある(38.2%)」の順で多く選択された。
また、カウンセリングの必要性について尋ねる項目では、「必要だと思う(17.8%)」「やや必要だと思う(将来的に必要な可能性はあるなど)(37.7%)」を合わせると、55.5%が必要性を感じていることがわかった。
働く人の7割以上が悩みや不安などを抱える。仕事に及ぼす悪影響を経験した人も多数
さらに本調査によると、71.9%が悩みや不安などがあることが判明している。「精神的な問題やメンタル不調が仕事に及ぼす影響」に関しては、「悩みや不安などはあるが、仕事には影響しない」という回答が最も多かったものの、「仕事への熱意の低下を感じたことがある」「集中力やパフォーマンス、生産性の低下を感じたことがある」といった回答も一定数寄せられたことも報告された。
また、「メンタル不調が原因で休んだことがある」「メンタル不調が原因で休職または退職したことがある」との回答は若い年代の方が高くなる傾向にあることがわかった。
まとめ
カウンセリングへの興味や必要性の実感はありながらも、半数近い人が抵抗感やハードルを感じているという実態が明らかになった。従業員がメンタル不調を感じた際、早期にカウンセリングを受けられる環境を整備できれば、離職や休職を防げる可能性がある。いかにカウンセリングのハードルを下げるか、企業として積極的に取り組んでいく必要がありそうだ。
参考:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(厚生労働省)
参考:世界メンタルヘルスデー2024特設サイト(厚生労働省)