退職防止のための施策、「待遇向上」以外に何が有効? ジェイック調査
株式会社ジェイックは、株式会社アスマークに調査委託した「年代別の退職状況と退職防止施策」に関するアンケート調査の結果を発表した。本調査では、企業の経営者・人事担当者が退職を防ぎたいと考えている年代や、年代別の退職防止施策などを明らかにしている。
調査概要
調査名称:「年代別の退職状況と退職防止施策」についてのアンケート
調査対象:経営者・人事担当者
調査機関:株式会社アスマーク
調査方法:Webアンケート
調査期間:2024年9月22日~9月25日
回答者数:200名(従業員50名以上の企業の経営者100名、従業員100名以上の企業の人事担当者100名)
出典元:「年代別の退職状況と退職防止施策」を調査 最も退職を防ぎたい年代1位は「30代」、効果的な施策は「キャリア形成の支援」(株式会社ジェイック)
最も退職を防ぎたい年代の1位は「30代」
同社によると「最も退職している年代をひとつ選択してください」との質問に対して「20代(30.5%)」「あてはまる年代はない(23.5%)」「30代(20.0%)」といった回答が上位に挙げられており、若い世代での退職が多いことが明らかになった。
また「最も退職を防ぎたい年代をひとつ選択してください」との質問には、「30代(28.5%)」「20代(27.0%)」と回答する割合が高くなった。
同社は自由記述で退職を防ぎたい理由について尋ねており、30代に対しては「主戦力だから」「中堅として活躍を期待しているから」「今後会社の中心となる年代だから」といった回答が寄せられたという。
年代別に見る「退職防止」への施策
さらに同社は「各年代に対し、効果があると思う退職防止の施策をすべて選択してください」と質問。全年代で「待遇面の向上(給与・福利厚生)」が最も多く選ばれたことを報告している。
待遇面以外の施策に関して年代別の傾向を見ると、まず新入社員や20代では「休日・休暇・労働時間の向上」「コミュニケーションの活性化」が効果があると考えられているようだ。30代・40代でもこれらの施策は効果があると考えられているが、同時に30代になると「経営層や上司へのマネジメント研修の実施」「働きがいの向上」「キャリア形成の支援」「経営層や上司との定期的な1on1」など、徐々に個別のキャリアやマネジメントなどの要素の必要性や効果性が増すと考える人が多いことがわかった。
まとめ
本調査では若い世代の退職者が多く、経営者や人事担当者が退職を防ぎたいと考える年代も20〜30代に集中していることが明らかになった。企業の中長期的な成長において重要となるこれらの年代の定着は、多くの企業における課題とも言えるだろう。
給与や福利厚生といった「待遇面の向上」は全年代において退職防止に効果があると考えられていることも判明。これは人材を引き留めたい企業側がまず改善を検討すべき点と考えられるが、一方で、待遇面以外は年代ごとに重視される施策の違いもみられる。年代に合わせた退職防止策を講じることの重要性も示唆された本調査を、今後の取り組みの参考にしていただきたい。