高卒正社員の賃上げ幅が大卒を上回る【若者しごと白書】 レバレジーズ調査

レバレジーズ株式会社が運営するフリーター・既卒・第二新卒向け就職支援サービスのハタラクティブは、今年で第7弾となる「若者しごと白書2025」を公開。その中から、若手正社員のキャリアやお金に関する実態について、最終学歴別などの属性別で比較した結果の一部を抜粋して紹介するリリースが公開された。概要を紹介する。
調査概要
ハタラクティブ 若者しごと白書2025
調査目的:18歳~29歳のフリーター・正社員の働き方・キャリア観の把握
調査期間:2024年11月11日~2024年11月20日
調査方法:インターネット調査
調査対象:18歳~29歳 男女
2024年11月時点で満18歳~29歳のフリーター、正社員男女(高卒正社員 男性:250 人/高卒正社員 女性:250 人/大卒正社員 男性:250 人/大卒正社員 女性:250 人)
集計対象:2000人
発行年:2025年2月
出典元:賃上げ・手取りの「上昇幅」で高卒正社員が大卒を上回る傾向に(レバレジーズ株式会社)
高卒正社員の賃上げ幅が大卒を上回る

同社は「若者しごと白書」における2024年(※)と2025年の比較結果から「賃上げがあった」と回答した割合は、高卒正社員で3.4pt減少した一方、大卒正社員で2.2pt増加したことを報告。
しかし、実際の賃上げ額を高卒正社員に尋ねる項目では「3000円未満〜10000円未満」が8.8pt減少した一方で「10000〜30000円未満」は10pt増加したという。大卒正社員においても「10000円〜30000円未満」が5pt増加しており、賃上げを実施した企業では、全体として2024年よりも賃上げ額の水準が上昇していることがわかった。
また、正社員の手取り月収を学歴別で比較したところ、大卒正社員の方が高卒正社員よりも手取り額が高い傾向が見られたという。一方で、2024年度と2025年度の手取り月収を比較すると、高卒正社員では「20万円以上」が4.4pt上昇したのに対し、大卒正社員は0.8pt減少している。この結果から、大卒正社員の手取り月収よりも高卒正社員の手取り月収の方が上昇幅が大きいことが明らかになった。
※レバレジーズ株式会社「ハタラクティブ」,2024年2月「若者しごと白書2024」
若手正社員の3割は今の収入への満足感が理由で転職せず

同社は現在転職活動をしておらず「将来的にも転職を考えていない」と回答した若手社員にその理由を質問。「今の収入に満足しているため(30.1%)」「職場の人間関係が良好なため(25.9%)」「残業がないため(24.8%)」が上位に並んだという。一方で「テレワークや副業など制度が整っているため(3.8%)」は最下位となった。
また同社は、2025年に調査した「若者しごと白書」によると、若手社員が「転職活動を希望する理由」として「今より多くの収入を得たいため(63.4%)」が圧倒的多数を占め、他の項目を大きく上回る結果となったことを報告。収入面の向上が転職を検討する際の主要な判断軸になっていると指摘した。
まとめ
本調査では高卒正社員の賃上げ幅が大卒正社員を上回るなど、高卒人材の評価が見直されつつある様子がみられた。しかし同社は、未だ形式的な学歴偏重により人材活用を妨げるケースがあるとして、採用活動の在り方を見直す必要性について指摘している。
収入面が転職を検討する上での重要な判断軸となっている様子がうかがえる調査結果もあり、給与体系や賃上げの見直しについても、積極的に取り組んでいく必要がありそうだ。
いずれにしても「学歴」を基準にせず、個々の能力を見極めることが、人事担当者の重要な役割と言えるだろう。参考にしていただきたい。