入社式を開催する際のスケジューリングとは?リアル・オンライン共に具体的な流れを解説
入社式は、新卒社員にとって社会人生活の始まりとなり、企業にとっては新入社員が企業の一員となってともに働く意識づけをするために重要なイベントである。双方にとって大切な入社式当日を、企業はどのように準備を進めて迎えればよいのか、具体的な流れを解説する。また近年増えているオンライン開催の入社式についての注意点についても触れておく。
入社式の概要
まずは、入社式とはどのような式典かについて解説する。
入社式を行う意義
入社式とは、企業が新入社員を正式に迎え入れるために開催する式典である。新たに入社する社員に自覚を促し、社会人という意識づけをするために行う。また、自社の企業理念や指針、独自性を浸透させ、新入社員と交流する貴重な機会にもなる。
入社式を行う時期は4月が大半
多くの日本企業は4月1日に入社式を開催する。企業の方針や業界によっては、研修に時間をかけるなどの理由から3月に執り行う会社もある。また、年数回に分けて一括採用をしている企業では、入社時期に合わせて4月と10月など年に数回行うケースも見られる。
企業規模によって変わる入社式の開催場所
入社式は本社の大会議室やホールで行われることが一般的だが、毎年500人を超えるほどの新入社員を迎え入れる大企業などは、ホテルの宴会場やイベント会場で開催することが多い。
逆に毎年数名から20名ほどの新入社員を迎え入れるような中小企業が開催する場合、貸し会議室やパーティールームなどバラエティに富んだ場所が選ばれる傾向にある。
入社式で行われるプログラムの例
実際の入社式がどのようなプログラムで進行されているのかについて紹介する。
一般的なプログラム
企業の方針によって入社式の内容は様々だが、一般的には以下のようなプログラムで行われる。
・開会の挨拶
・代表者挨拶・祝辞
・入社辞令書の授与
・新入社員による挨拶
・記念写真の撮影
・閉会の挨拶
上記の内容にプラスして企業独自のプログラムが追加されることも
企業によっては新入社員が代表して決意表明を述べたり、役員が紹介されたりすることもある。また著名人がサプライズで登場する、著名人からビデオレターが届くなどの演出が加わることもある。
入社式後に懇親会が行われるケースも多い
入社式の後には、新入社員と食事をしながら親睦を深める懇親会が開催されることも多い。現場に入ると特に重役クラスが新入社員と交流できるチャンスは限られるので、企業側にとっても新入社員にとっても貴重な機会になる。式典とは異なり、和やかな雰囲気で行われるのが通常だ。また、入社式後にそのまま全体研修や、配属部署ごとの研修や実習をする企業もある。
以下の記事では入社式の実施内容やスケジュールについて、より詳しく解説しているのでぜひ参考にしてほしい。
新入社員の新しい門出を祝う入社式。実施内容やスケジュールを詳しく解説
リアル開催の入社式開催に向けた流れ
企業が独自のスタイルを表す貴重な機会となる入社式を、滞りなく開催するために当日までの流れを紹介する。
会場選びおよび日程調整
大切な新入社員を迎え入れるにあたり、開催規模に合わせた会場選びと、重役や来賓の日程調整を行う。日程調整は、打ち合わせや挨拶の依頼など時間に余裕をもって準備を進める。
企画立案・プログラム作成
入社式は会社の就業時間内に設定されることが多く、始業時間に開始され数時間から半日程度で終わるのが一般的だ。新入社員の愛社精神を生むため独自の入社式を行う企業もある。家族同伴の入社式や、畑で行う入社式、また暗闇で行う入社式など、社風が表れたユニークな入社式の事例も増えており、それらがメディアに取り上げられることで既存社員のモチベーション向上に役立つという効果もある。
当日使用する資料の作成
入社式当日に配布する就業規則や入社辞令書など、重要な資料を万全に準備する必要がある。
案内状の作成・送付
新入社員の気持ちを奮い立たせるためにも心を込めて入社式の案内状を作成し、日にちに余裕をもって送付する。
式典当日の役割分担も事前に決めておく
入社式当日はすべての工程が重要になるため、役割分担は細部にわたって決めておく。主な役割分担は下記の通りだ。
・案内受付係
・司会
・賞状盆係
・写真、動画撮影係
・社員代表挨拶
・音響係 など
オンライン入社式を開催する場合の準備の流れ
近年増加しているオンライン入社式を開催するときの準備や注意点について解説する。
自社・新入社員のネット環境の確認・整備
オンライン入社式は、ネット環境がすべての鍵になるためネット環境の整備においては細心の注意を払う。自社側の環境だけでなく、新入社員の環境についても事前の確認作業を怠らず、全員がスムーズに参加できるようにする。
企画立案・プログラム作成
オンライン入社式は対面で想いを伝えることができないため、入社式の意義や企業理念をより明確に分かりやすく伝える必要がある。会社の信念や会社にどのように貢献してほしいかなど、企画段階で社員に伝えたいメッセージの徹底や理解しやすいプログラム作成に心がける。
資料やPCなどを送付する
入社式当日に必要な資料は事前に送付する。また新入社員に企業のPCを貸与する場合には日にちに余裕をもって手配する。
通信テスト・リハーサルは入念に
入社式の進行がオンラインで滞りなく進むよう、通信テストとリハーサルを入念に行う。せっかく準備した式典でも、ネットワークの問題で参加できないというトラブルだけは起きないように細心の注意を払う。
トラブル時の対応を事前に確認しておくことが大切
オンライン開催にありがちなトラブルを事前にシミュレーションし、対応を事前に確認することが重要だ。トラブルの想定をスタッフ内で事前に共有し、対応を確認しておくことで当日の安心感も生まれる。
まとめ
入社式は、時間と労力をかけて採用した新入社員が企業の一員となる晴れの儀式である。企業の理念や指針、社風を伝えることで新入社員がより深く会社を理解し愛社精神をもって働くきっかけとなる大切な一日となるはずだ。入社式の意義を理解し、会の流れをつかみ、滞りなく式典を進められるよう万全の準備をして当日を迎えてほしい。