「一般社員の会社・職場・仕事に関する意識調査」モチベーション・リソースが仕事へのエンゲージメントに与える影響
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:山﨑淳)は、企業に勤める一般社員、主任・係長クラスの正社員3708名に対し、「一般社員の会社・職場・仕事に関する意識調査」を実施した。
働く人々の意識・特性を多角的に捉えるプロジェクト
産業構造の変化や、少子高齢化、個人のキャリアに対する意識の変化など、企業の経営環境が大きく変わってきている昨今、変化が激しい時代に企業価値を持続的に向上させるのは人材であるという考えから、「人的資本経営」が注目されている。
同社は、これまで60年以上に渡って人々の内面(性格、志向、価値観など)を測定してきた技術を活かし、人材、つまり働く人々の意識・特性を多角的に捉えるプロジェクトを発足した。本調査はプロジェクト最初の取り組みとして実施したもので、分析結果は2回(今回と次回)に分けて発表する。
本リリースでは、「モチベーション・リソース」「現在の仕事の特徴」「両者のフィット度」「フィット度と仕事へのエンゲージメントの関係」の順に分析結果をまとめた。
調査結果詳細はこちら
働く上でのモチベーションの源泉「モチベーション・リソース」
モチベーション・リソースとは、働く上で重視するものや実現したいこと(志向・欲求)を当社が先行研究やデータをもとに「統率・挑戦・創造・専門性・貢献・親和・安定・金銭・承認・注目」という10種類に分類したもの。
■働く上で「安定(53%)と「金銭(41%)」を重視している人が多い
■年代が上がるにつれて「創造」「専門性」の出現率は高くなり、「親和」「承認」「注目」の出現率は低くなる傾向がある
■転職回数が増えるにつれて、「専門性」「安定」の出現率が高くなる傾向がある
モチベーション・リソースと仕事の関係性
「あなたが現在担当している仕事が、図表6の項目にどれくらい当てはまると感じるか」について、5段階で回答を求めた。
■現在の仕事の特徴は「専門性」「貢献」「親和」「安定」の値が高い
■35.5%もの人がモチベーション・リソーストップ3と現在の仕事がフィットしていない
■トップ3が全てフィットしているのは、20代(18.8%)が最も多く、フィット数0個は、40代(39.0%)・50代(37.7%)で多い
フィット数が「仕事へのエンゲージメント」に与える影響
今回の調査においては、「仕事へのエンゲージメント」≒「一人ひとりが、仕事の意義を理解し、日々の仕事にやりがいや成長・貢献実感をもって働いていること」と定義。各項目に対して、5段階で回答を求めた。
■フィット数が増えるにしたがって、仕事へのエンゲージメント得点が高くなる
本調査の全体傾向からは、特定のモチベーション・リソースと仕事へのエンゲージメントの関係性は見られなかった。つまり、モチベーション・リソースが仕事へのエンゲージメントを高めているのではなく、モチベーション・リソースと現在の仕事のフィット度がエンゲージメントを高めているのではないかと考えられる。
まとめ
人材資本経営に注目が集まる中、従業員が何にモチベーションを感じているか、自身のモチベーションの源泉と仕事の間にどの程度フィット感を持てているか把握することは、より大切なことと言える。調査の結果からは、「自身のモチベーションの源泉と現在の仕事との間にフィット感を持てているほど、やりがいをもって働けていること」が明らかになっている。従業員のやりがいを引き出せる采配や環境の提供を、日々のアサインメントやマネジメント場面において重視していくことで、組織の持続的な成長につなげることができるのではないだろうか。