若手会社員の成長志向と自信に乖離? NEWONEが「会社員の働き方・キャリア志向」を分析
株式会社NEWONE(本社:東京都千代田区、代表取締役:上林周平)が、人事向けHRテック 「Cocolaboカルテ」の4年分の診断結果をもとに、年代および職種別に会社員の働き方や意向を分析した調査レポートを公表した。ここでは、公表された一部をお伝えする。
調査概要
調査期間:2020年4月〜2024年8月
対象:20代〜50代の会社員 14092 名
調査方法:「Cocolaboカルテ」の診断結果をもとに分析
調査内容:「仕事や組織への満足度」「働くうえでの意向」など働く価値観を知るための40項目
出典元:株式会社NEWONE
※Cocolaboカルテは、エドワード・L・デシが提唱した「自己決定理論」に基づき、働くうえでの価値観の項目を設計
成長志向と自信の乖離 若年層でより顕著
本調査では現状の仕事への満足度や、自分自身に対する自信などの4つの指標を比較分析。同社によれば、どの年代でも「仕事に対して、夢中になって働きたいと思っている」人の平均が高い一方、「仕事をしている自分自身に自信がある」と答える割合が低い傾向が見られるという。その傾向は20代前半においてより顕著に見られたことが報告された。
同社はこの結果について、キャリアの初期段階にある若年層では、期待値や熱意が高い一方で経験不足が影響し自信が持ちにくくなっていると推察。若年層に対しては「本人の目指していきたい姿(目標)を言語化し、目標に向かって順調に進んでいることを頻度高くフィードバックし、成長を促進するための明確なサポートが必要」と提言している。
職種別分析 仕事への満足度と仕事に対する自信
また職種ごとの分析でも、「仕事に対して、夢中になって働きたいと思っている」が最上位で「仕事をしている自分自身に自信がある」が最下位だったことも報告されている。
指標のひとつである「自組織で、長く働き続けたいと思っている」に焦点を当てると、事務職で最も高い値となっており、同じ組織で専門性を高めることを重視している人が多い様子がうかがえる。
一方サービス職では、他の職種と比べ「自組織で、長く働き続けたいと思っている」「現状の仕事内容に満足している」についての平均が下がっており、同社は仕事自体への意味づけや、仕事の枠を広げられるような支援の必要性を指摘した。
年代別分析、20代前半が全9指標で最上位・最下位
次に同社は、自律性、有能感、関係性に関する9つの指標について年代ごとに分析。どの指標でも20代前半が最上位もしくは最下位になっており、意向が明確であることが読み取れるという。特に仕事のコントロールの値が顕著に低く、また「成長を後押しする環境」「上司とのつながり」の意向が強く現れていることが報告された。
一方で「能力発揮の実感」については、他の指標に比べて年代差が小さいことも判明。この項目については営業職と事務職での差が見られており、年代よりも職種による影響が大きいことが明らかとなった。
まとめ
本調査結果からは、特に20代前半の従業員が成長の手応えをつかむことの重要性がみて取れる。成長への意欲が高い一方で、仕事への自信があまりなく、仕事をコントロールする感覚に乏しい特徴を持つ若年層に対し、どのように成長をサポートしていくか検討する必要がありそうだ。
また、職種によって仕事に対する意向にも違いが見られており、それぞれに応じた人事戦略の必要性が見受けられた。組織全体の満足度と生産性の向上に向けて、年代や職種に応じた支援体制を整えていくといいだろう。