社長の平均年齢が34年連続で過去最高を更新 TDB調査

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は『全国「社長年齢」分析調査(2024年)』を実施。企業概要ファイル「COSMOS2」(約148万社収録)から2024年12月時点における企業の社長データ(個人、非営利、公益法人等除く)を抽出し、集計・分析した。
社長交代率が3%台で低迷するなか社長の平均年齢が過去最高に

TDBの報告によると、2024年時点の社長の平均年齢は60.7歳となり、前年を0.2歳上回っているという。統計として遡れる1990年から34年連続での過去最高の更新だ。社長の交代率は4年連続で低下し3.75%となっている。
また、社長が交代する際の年齢は平均68.6歳で、前年(68.7歳)からほぼ横ばいだったことが報告された。社長交代後の新社長の年齢は52.7歳で、社長交代によって平均で15.9歳若返っている。
TDBは団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」が到来し「経営者の病気・死亡」による倒産も増加していると解説。事業承継を円滑に行っていくためにも、早期に準備を進める必要性が一層高まっている状況にあると指摘した。
出典元:全国「社長年齢」分析調査(2024年)(株式会社帝国データバンク)
年代別構成比「50歳以上」が年々上昇

TDBは2024年時点における社長の年代別構成比についても報告。「50歳以上」が81.7%を占めたことが明らかになっている。「60歳以上」で区分しても51.7%で半数を超えたという。
なお「30歳未満(0.2%)」「30代(2.9%)」と、30代以下の社長は全社長の約3%に過ぎないことも判明。近年はスタートアップなど新興企業を中心に若手経営者に注目が集まっているものの、実態としては経営者の高齢化が進行していることがわかる。
まとめ
TDBの調査により、日本の社長の高齢化が進んでいる実態が明らかになった。50歳以上の割合が8割を超えており、深刻な状況だと言えるだろう。社長交代率も低迷しており、今後も平均年齢の上昇が続くとみられている。
社長の高齢化により懸念されるのが、病気・死亡による倒産の増加だ。実際にTDBの調査では2024年に316件発生し、過去最多件数であったことが報告されている。高齢化により不測の事態が発生する可能性も高まっており、事業承継に向けた準備が間に合わないという事態を招きかねない。事業承継への早期着手が、事業継続のために欠かせないものとなっている。
参考:「経営者の病気、死亡」倒産動向調査(株式会社帝国データバンク)