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倒産企業の「平均寿命」調査 3年ぶりに前年比超え23.2年 TDB調査

2025.03.28

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2024年の倒産企業の平均寿命について分析調査を実施した。本調査は全国倒産1万6件(負債1000万円以上)のうち、創業年月が不明の1215件を除く8791件を対象としている。

調査概要

調査対象:2024年の全国倒産1万6件(負債1000万円以上)のうち、創業年月が不明の1215件を除く8791件
分析方法:業歴30年以上を「老舗」企業、同10年未満を「新興」企業と定義し、業歴は法人が設立年月、個人企業は創業年月で起算
調査主体:株式会社帝国データバンク
出典元:倒産企業の平均寿命は23.2年、3年ぶりに延びる 製造業、卸売業を中心に老舗企業が押し上げる(株式会社帝国データバンク)

平均寿命が3年ぶりに前年比を超え23.2年に

平均寿命が3年ぶりに前年比を超え23.2年に

TDBの発表によると、2024年に倒産した企業の平均寿命は23.2年で、前年(23.1年)より0.1年延びたことが明らかになった。前年を上回ったのは、2021年以来3年ぶりのことだという。

業歴別の構成比をみると、30年以上の「老舗」企業が32.2%(前年32.1%)で、3年ぶりに延びた一方で、業歴10年未満の「新興」企業は30.7%(同30.1%)と、2年連続での30%台であったことがわかる。コロナ禍を経て経営環境が大きな転換期を迎えた今、TDBは自立・自走できない企業は業歴に関係なく淘汰が進むとの見解を示した。

産業別平均寿命の最長は「製造業」

産業別平均寿命の最長は「製造業」

TDBは続いて、産業別の平均寿命について報告。10産業のうち、卸売業、金融・保険業、運輸業、情報通信業の4産業で延びたことが明らかになった。

最長は「製造業(35.9年/前年36.3年)」で、唯一30年を超えたことも判明。次いで「卸売業(29.6年/同29.5年)」「運輸業(25.7年/同24.4年)」「小売業(24.1年/同24.5年)」「建設業(21.7年/同21.7年)」が続いている。最短は「情報通信業(16.6年/同16.0年)」だったという。

まとめ

コロナ禍での様々な支援策は多くの企業を救ったと同時に、過剰債務の企業も多数生み出した。その後起こった急激な需要増、円安、原材料や資材の高騰、エネルギー価格や人件費の上昇、そして人材不足と、業績回復を遅れさせるいくつものマイナス要因が加わったこともあり、倒産企業は2024年に11年ぶりの1万件超えとなっている。

本調査では3年ぶりに倒産企業の平均寿命が前年を上回っているが、この背景には業歴の長い「老舗」企業の倒産がある。経営環境の変化に対応できない企業は、業歴を問わず淘汰されているのが現状のようだ。TDBは 「実体のない「強み」に頼らず、いかに柔軟な発想で生き残るかが問われている」とコメントした。

参考:倒産集計 2024年(1月~12月)(株式会社帝国データバンク)