成長実感の多さが従業員の定着に好影響 ALL DIFFERENT調査

ALL DIFFERENT株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り®︎」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所®︎は、2024年12月に社会人5年目以上の役職がついていない中堅社員(以下:ミドルキャリア)800人に対し意識調査を実施。「勤続・離職意向」に関する調査・分析した結果を公表した。
※本リリースで中堅社員(ミドルキャリア)は社会人5年目以降35歳未満の役職がついていない社員を指す
半数以上が「今の会社で働き続けたい」

本調査ではまずはじめに、社会人5年目以上の役職がついていないミドルキャリアへ、現在の会社で働き続けたいと感じているかを質問。その結果、働き続けたいと「感じる(14.6%)」「どちらかといえば感じる(41.0%)」との回答から、半数以上が勤続の意向を示したことが明らかになった。
本リリースでは、この会社で働き続けたいと「感じる」「どちらかといえば感じる」と回答したミドルキャリアを『勤続意向者』とし「どちらかといえば感じない」「感じない」と回答したミドルキャリアを『離職意向者』と分類している。
今の会社で働き続けたい理由 勤続年数で違い

本調査では続いて『勤続意向者』に対して、今の会社で働き続けたい理由は何か質問。「人間関係が良好だから(37.5%)」「仕事内容に満足しているから(36.4%)」「働き方に満足しているから(25.8%)」との回答が寄せられたという。
さらに本調査は、年次別の違いについて分析。年次共通して高い割合になった項目は「人間関係が良好だから」で、各年次共通して低い割合になった項目は「組織の文化・風土に満足しているから」「叶えたい目標が実現できるから」「自身への評価に満足しているから」だったという。
年次によって特徴が現れた点として、社会人5年目では「業界の将来性に期待しているから」「会社の理念(ビジョン)に共感しているから」が他年次に比べて高いことが判明。
社会人6年目では「働き方に満足しているから」が高く、社会人5年目から社会人8年目までは「仕事内容に満足しているから」が増加傾向にあったという。
さらに社会人8年目以降になると「働き方に満足しているから」が高まる傾向にあり、社会人11年目以降が最大の結果であることが報告された。
今の会社で働き続けたくない理由

次に本調査では『離職意向者』に対して、今の会社で働き続けたくない理由を質問。「給与等に不満があるから(39.4%)」「仕事内容に不満があるから(23.4%)」「この会社で成長できないと感じるから(21.1%)」が多く挙げられたという。
年次別の分析では「給与等に不満があるから」「仕事内容に不満があるから」が共通して高いことが判明している。
また「この会社で成長できないと感じるから」と回答した割合は、社会人8年目が31.9%、社会人5年目が28.3%、社会人6年目が20.9%となり、比較的若い年次において回答割合が高くなる傾向が見られた。
成長実感の機会が多い人ほど勤続意向

続いて本調査では「成長実感」別に勤続・離職意向に違いがあるか分析。その結果、業務で成長を感じる機会(縦軸)が「とてもよくある」と回答した人のうち、80.5%が勤続意向者であることが判明している。一方で、業務で成長を感じる機会が「全くない」と回答した人では、そのうち81.3%が離職意向者であることが明らかになった。
本調査では最後に「自分の成長に役に立ったと感じる会社の良いところ」について、勤続・離職意向に違いがあるか分析。その結果、勤続意向者は「職場の雰囲気・文化」「上司からのサポート」「配属先の仕事内容」「先輩からのサポート」「OJT制度」「人事評価制度」「目標管理制度」など、多くの項目で離職意向者よりも高い割合を示したという。
一方、離職意向者では「同僚からの刺激」「表彰制度」「従業員意識調査」「ジョブローテーション」が高い割合となったものの、全体を通じて勤続意向者よりも低い項目が目立っていた。
まとめ
本調査により、勤続意向者と離職意向者それぞれの理由と年次ごとの違いが明らかになった。また、成長実感の機会を増やすことが、離職防止にいい影響をもたらすことも判明している。
人材不足が深刻化する中、離職防止の取り組みは人事担当者の重要な業務のひとつとなっていることだろう。待遇や職場環境の改善はもちろんだが、成長実感に注目することの重要性が今回示唆されている。自社において成長実感を得られる機会が創出できているか、改めて見直す機会としてみてはいかがだろうか。