掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

ソフトウェア業の倒産が前年度の1.4倍に増加し過去10年で最多に TDB調査

2025.04.25

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、ソフト受託開発・パッケージソフトウェア業を指す「ソフトウェア業」の倒産発生状況について調査・分析を実施。2024年度に発生した「ソフトウェア業」の倒産が過去10年で最多となったことを報告した。

調査概要

集計期間:2000年4月1日~2025年3月31日まで
集計対象:負債1000万円以上・法的整理による倒産
出典元:「ソフトウェア業」の倒産動向(2024年度)(株式会社帝国データバンク)

前年度比1.4倍となった「ソフトウェア業」倒産

前年度比1.4倍となった「ソフトウェア業」倒産

TDBは「ソフトウェア業」の倒産が急増している実態を報告した。2024年度(2024年4月〜2025年3月)の倒産件数は前年度の154件から1.4倍に増加し、220件に達したという。過去10年間で初めて200件を超えており、3年連続での増加となったことが報告されている。特に、従業員数が「10人未満」の企業が全体の8割以上を占めている点にTDBは注目。小規模事業者の淘汰が進んでいる実態があると指摘した。

多くの企業が人手不足に直面し、業務効率化を目的にDX・デジタルツールの導入が進んでいることから、旺盛なIT投資の需要によりソフトウェア業界全体では好調に推移している。しかし、深刻なシステムエンジニア不足がソフトウェア業界を苦しめているようだ。

TDBは「情報サービス業」で正社員の人手不足を感じている企業の割合は2025年3月時点で72.2%に達し、全業種でトップとなっているとの調査結果を報告。人手不足から案件の受注が困難になっているほか、人材育成を進める余裕がないといった声が寄せられているという。

また、他の職種と比べて給与が高い傾向にある業界でもあり、大企業を中心に優秀なデジタル人材に高額な報酬が提示される事例も増加しているようだ。人材獲得競争の激化が、中小・小規模事業者にとって重大な課題となっていると考えられる。

まとめ

毎月勤労統計調査の結果を見ると「情報サービス業」における月の所定内給与(所定外給与・特別給与を含まない)は2024年平均で37万4377円と、全業種平均(26万2325円)を大きく上回っていることがわかる。

正社員の人手不足を感じる企業の割合も他業種より高く、人手不足の深刻化がさらなる賃上げや人材獲得競争の激化を引き起こしていく可能性は十分にあるだろう。報酬面で大企業に追いつくことが難しい中小・小規模事業者を中心に、今後も淘汰が進んでいくのではないだろうか。動向に注目したい。

毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査)(厚生労働省)