「首都圏への本社移転」転入363社、コロナ禍後初の転入超過に TDB調査
株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2025年に首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉:1都3県)⇔地方間をまたいだ「本社所在地の移転」が判明した企業(個人事業主、非営利法人等含む)について、保有する企業概要データベースのうち業種や規模が判明している企業を対象に分析を実施した。
過去最多の363社が首都圏へ本社を移転
TDBの報告によると、2025年に地方から首都圏へ本社を移転した企業は過去最多の363社になった。首都圏から地方へ移転した325社を38社上回り、転入超過となったことが報告された。転入超過の規模は、最も多かった2015年(104社の転入超過)の約3分の1だったものの、コロナ禍の2020年(8社)以来、5年ぶりの転入超過となっている。
なお、地方から首都圏への移転で最も多い市区郡は「東京都港区(56社)」で、次いで「千代田区(37社)」「中央区(34社)」「渋谷区(26社)」が続いている。首都圏からの移転では「東京都港区(34社)」「中央区(31社)」「千代田区(27社)」が上位に並んだ。
地方から首都圏への移転は大阪府が最多
また、地方から首都圏へ移転した企業の転入元としては「大阪府(69社)」が前年(58社)から11社・19.0%増加し最多に。そのほか、首都圏への転入元で過去最多(最多タイを含む、年間5社以上)となったのは「福岡県(37社)」「愛知県(35社)」「茨城県(30社)」など8県。
首都圏から地方へ移転した企業の転出先については、東京都心から郊外・隣接県へ機能を移す動きが続いているほか、観光産業が好調な沖縄県や半導体産業で好況が続く熊本県など、首都圏から離れた地域に移転する動きが目立っている。
出典元:首都圏「本社移転」動向調査(2025年)(株式会社帝国データバンク)
※本社とは、実質的な本社機能(事務所など)が所在する事業所を指し、商業登記上の本店所在地と異なるケースがある
※首都圏の企業転出・転入は、首都圏内外をまたぐ道府県との本社移転を指しており、首都圏内での県境をまたぐ本社移転は含まれない
まとめ
地方から首都圏へ、ビジネス機会や人材確保を求める動きが再燃している実態が明らかになった。TDBは「営業コストや人材戦略上のメリット、物流インフラ面の利便性の高さなどが影響し、積極的に地方へ移転するインセンティブは薄れつつある」と指摘している。さらに、「全移転」から「機能分散」へと、トレンドが変化する可能性があると推察している。
こうした移転・拠点戦略の変化を見据え人材採用・教育の方針や、オフィス運用コストの評価、BCPの再検討、税務・助成金制度の最適化支援などを、優先的に検討する必要がありそうだ。組織の柔軟性と競争力強化に向けた取り組みを、より一層推進したい。













