取適法施行から3カ月経過も、6割の受注者が「価格協議増加せず」 Sansan調査
Sansan株式会社は、2026年1月に施行された中小受託取引適正化法(以下、取適法)の3カ月後における企業の対応実態を明らかにするため、受注者(中小受託事業者に該当する企業に勤め、受託業務を担当する会社員)743名および発注者(委託事業者に該当する企業の法務担当者)143名、計886名を対象に「取適法施行後の実態調査」を実施した。
調査概要
調査名:取適法施行後の実態調査
調査方法:オンライン上でのアンケート調査
調査地域:全国
調査対象:
<受注者>中小受託事業者に該当する企業で受託業務を担当する会社員743名
<発注者>委託事業者に該当する企業に勤める法務担当者143名
調査期間:2026年3月11日~2026年3月16日
調査企画:Sansan株式会社
出典元:Sansan、施行から3カ月「取適法施行後の実態」を調査~受注者の6割は、法改正後も価格協議が増加せず。発注者の9割が法対応を進めるも、6割は対応に課題あり~(Sansan株式会社)
※本調査結果において、比率は小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計した数字が100%にならない場合がある
取適法施行後、価格協議が増加した受注者は約4割
本調査ではまずはじめに、受注者に対し、取適法施行後に価格協議が増加したか質問。「増加した」と回答した割合は43.2%にとどまっており「変わらない」が56.8%と約6割を占めることがわかった。
続いて「価格協議の機会を増やすために、重要だと思うこと」について質問。前問で取適法で価格協議の機会が「増加した」と回答した層では、65.1%が「契約書、発注書などで取引条件を確認できるようにすること」を挙げた。一方で、価格協議の頻度が「変わらない」と回答した層では52.1%と、10ポイント以上の差がみられた。
また「これまでに、契約書や発注書など取引条件を明示した文書が手元にないために価格交渉をためらった経験があるか」とたずねる項目では、72.1%が「ある」と回答。「これまでに、契約内容の変更を把握できていなかったために、誤った条件で取引をしてしまった経験はあるか」についても、17.1%が「ある」と回答している。
発注者の約6割「(取適法の)対象企業の特定」に課題
次に、発注側である委託事業者の中で取適法の対応をすることの多い法務担当者に対し、取適法の対応状況について質問。87.4%が対応を「行っている」と回答した。
一方で、取適法の改正により「受託事業者」の対象範囲が拡大された中で、新たに増加した受託事業者の特定に「課題がある」と回答した人は59.5%と、約6割に及んでいる。
課題が残る理由としては「企業情報を個別に確認・収集する必要がある(32.9%)」が最多だった。取適法の改正により従業員数が新たな基準として加わったことで、情報収集の煩雑さが対応の課題になっているようだ。
まとめ
本調査では7割超が「契約書や発注書が手元になく価格交渉をためらった経験がある」と回答。「契約変更を把握できず誤った条件で取引したことがある」も2割弱、認められた。
受注者側が契約書・発注書・見積書を一元管理し、更新履歴まで含めて現場ですぐに確認できる体制が必要といえる。
案件ごとの原価上昇や価格改定余地を定期的に整理し、営業部門と連携して価格協議の基準や交渉フローを明文化が急がれる。取適法を「守り」としてだけでなく、適正利益を確保する「攻めの経営」視点での活用も含めて、情報の一元化を進めたい。








