「106万円の壁」撤廃、経営者・役員の46.4%が認知せず ベター・プレイス調査
株式会社ベター・プレイス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長CEO:森本新士)は、2026年10月に予定されている社会保険の加入要件一部撤廃、いわゆる「106万円の壁」の撤廃に向け、全国の経営者・役員を対象に意識・実態調査を実施。その結果、制度変更について「知らなかった」とする回答は46.4%に上り、制度変更への対応が「まだできていない」企業は50.3%に達した。
調査概要
実施期間:2026年8月18日~8月21日
調査主体:株式会社ベター・プレイス
調査対象:20才~69才、経営者・役員
対象エリア:全国
調査方法:インターネット調査
有効回答数:483件
出典元:【「106万円の壁」撤廃に関する経営者・役員の意識・実態調査】経営者・役員の約半数が制度改正を「知らなかった」と回答。一方で、4社に1社が就業調整による影響に直面(株式会社ベター・プレイス)
「106万円の壁」撤廃を46.4%が「知らなかった」
本調査では2026年10月の賃金要件撤廃について、内容まで知っていたと回答した経営者・役員は17.4%にとどまった。「聞いたことはあるが詳しくは知らない(36.2%)」「知らなかった(46.4%)」と、十分な認知が進んでいない実態が明らかになった。
また、撤廃後も社会保険加入の「週20時間以上」の労働時間要件が残ることについても「知っていた(28.6%)」を「知らなかった(71.4%)」が大きく上回っている。さらに、従業員規模要件の段階的な撤廃スケジュールまで把握している人は10.4%だった。
制度変更に伴う経営上の懸念では「特に懸念していない(44.5%)」が最多となった。一方「懸念している」との回答では「企業負担の社会保険料が増加(30.2%)」が最多に。次いで「社会保険の事務負担が増える(21.3%)」「給与・雇用契約の見直しが必要(21.1%)」と続いた。
就業調整による業務への影響、25.5%が実感
「週20時間未満」への働き控えによる就業調整が業務に与える影響については「深刻な影響が出ている(6.0%)」「ある程度影響している(19.5%)」と、合わせて25.5%が実感してた。
従業員規模別では、100~299人規模の企業で「影響している」と回答した割合が37.0%と、全体の25.5%を上回った。また「深刻な影響が出ている」とした割合は、1000人以上の企業で13.0%となり、その他の規模では4~7%だった。
パート従業員の比率別では「10%未満」の企業で18.0%「10~29%」の企業で44.0%が業務への影響を回答している。
対応未実施が50.3% 短時間労働者の福利厚生にも差
続いて、制度変更への現在の対応状況について質問。その結果「特にまだ対応できていない(50.3%)」が最多だった。対応している企業では「給与・賃金体系の見直し(21.7%)」「社労士・専門家への相談(19.3%)」「社会保険料増加分の試算・コスト把握(18.2%)」などが挙げられている。
採用・定着に関する対応策についても「特に対応を検討していない(56.9%)」が最も多かった。次いで「時給・給与水準の見直し(25.3%)」「採用基準・雇用形態の見直し(13.3%)」「福利厚生の導入検討または導入済み(12.4%)」が続いている。
なお、退職金・企業年金制度を導入している企業は47.6%。そのうち、対象となる雇用形態は「正社員(98.7%)」が大半を占めており「契約社員・嘱託社員(12.2%)」「パートタイム・短時間労働者(7.0%)」は低い割合となった。
まとめ
今回の調査からは「106万円の壁」の撤廃をめぐり、制度への理解や企業の対応が十分に進んでいない一方、すでに就業調整による業務への影響を感じている企業が一定数あることが分かった。
制度変更への対応が「まだできていない」企業は50.3%、採用・定着について「特に対応を検討していない」企業は56.9%に上る。こうした結果を踏まえると、制度改正への対応は社会保険の手続きやコスト把握だけでなく、就業調整によって勤務時間を抑えている従業員の状況を把握し、働き方や給与、雇用形態などを含めて見直すことが重要になるだろう。
制度変更が自社の人員体制や採用・定着にどのような影響を及ぼすのかを早期に確認し、従業員が働き方を選択しやすい環境づくりにつなげていきたい。











