「管理職の退任」3人に1人が想定外の理由、4人に1人が想定より早期に パーソル総合研究所調査
株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都江東区、代表者:岩田亮)は、50~64歳で管理職を退任し、現在も同じ企業で働く「元管理職」を対象に、管理職退任の実態や退任後の役割、職場への適応状況を調査した。
調査概要
調査名:「元管理職の社内キャリアに関する調査」
調査対象:ライン管理職(部下を持つ課長相当以上)を退任し、現在も同じ企業で働く50~64歳の「元管理職」
調査主体:株式会社パーソル総合研究所
調査内容:管理職退任の実態、退任後の役割・働き方、職場への適応状況など
出典元:「元管理職の社内キャリアに関する調査」を発表 管理職の3人に1人が「想定外」の理由で退任、4人に1人は想定より早く(株式会社パーソル総合研究所)
管理職の35.3%が想定外の理由で退任 25.1%は想定より早く
本調査では管理職退任者の35.3%は、退任理由が「想定外」だったと回答。特に、組織改編による退任では81.0%が「想定外」と回答している。
また、退任時期については「想定通り」が47.8%だった。一方、25.1%は「想定より早く」退任していたことが判明した。
退任の説明(内示)については「説明なし(24.9%)」と「1か月以内(14.2%)」が合わせて39.1%となった。組織改編による退任では「1か月以内(29.5%)」と「説明なし(26.7%)」の合計が56.2%に達している。
退任後は「プレーヤー」が47.2% 26.7%が未経験職種へ
続いて、管理職退任後の主な役割を4タイプに分類。その結果、自ら成果を創出する「プレーヤー(47.2%)」が最も多かった。次いで「サポーター(19.7%)」「コーディネーター(18.7%)」「メンター(13.5%)」となった。
また、26.7%は退任後に未経験職種へ異動していたことが判明。特に「サポーター」では42.6%と高く、営業・技術職から営業系ミドルバックやコーポレートへの異動が多くみられている。
一方、退任後の業務適応は二極化しているようだ。「高パフォーマンス×高役割納得」の高適応群は36.1%で「低パフォーマンス×低役割納得」の低適応群は34.6%だった。現管理職では高適応群が55.4%、低適応群が21.8%であり、元管理職では高適応群が19.3ポイント低く、低適応群が12.8ポイント高かった。
なお、管理職在任中にプレーヤー業務をどの程度担っていたかについては、退任後の適応度との間に統計的に有意な差はみられなかったという。
退任後の「役割・目標・評価」の明確さが適応度と関連
退任後の仕事内容や役割について、事前理解が高かった人では高適応群が50.8%だったのに対し、事前理解が低い人では21.4%にとどまった。一方、退任前の準備について「特にない」と回答した人は、37.2%にのぼったという。
また、退任後に希望した役割と実際の配置が一致した人では、高適応群が41.9%となり、不一致の31.6%を上回った。希望する役割がなかった人では、低適応群が54.2%と半数を超えている。
また、退任後の役割期待が明確な人では高適応群が63.7%だったのに対し、低い人では17.2%にとどまっている。目標設定が明確な人では67.9%、評価・フィードバックへの納得性が高い人では73.0%が高適応群だった。
まとめ
管理職を退任した後の人材活用では、単に別のポジションへ配置するだけでなく「退任後の役割を本人が理解し、納得できる状態をつくること」が重要だと読み取れる。実際、退任後の仕事内容・役割への事前理解が高い人では高適応群が50.8%だったのに対し、低い人では21.4%にとどまった。また、役割期待が明確な人では高適応群が63.7%、目標設定が明確な人では67.9%、評価・フィードバックへの納得性が高い人では73.0%だった。
企業としては、管理職の退任が決まってから配置先を決めるだけではなく、退任前に本人へ退任後の仕事内容や役割を説明することが不可欠だ。さらに、希望を確認したうえで、退任後の役割・目標・評価方法まで具体的にすり合わせることが重要といえるだろう。
特に元管理職では、退任後の適応が高適応36.1%、低適応34.6%と二極化している。長年マネジメントを担ってきた人材を退任後も活用するためには、役職を外した後の「次の仕事」を曖昧にせず、本人と会社の双方が役割を確認できる仕組みを整えていきたい。













