オンライン会議、頭の上は10センチ空ける! 効果的な魅せ方、聴き方のコツ【中間管理職のビジネスマナー10の基本 Vol.5】
こんにちは。株式会社トークナビ代表取締役・アナウンサーの樋田かおり(といだ・かおり)です。今回のテーマは「オンライン会議での効果的な魅せ方、聴き方のコツ」です。
オンライン会議慣れ、していませんか?
コロナ禍で急速に広まったオンライン会議。オフィス出社に戻った今も、その利便性から、地域をまたぐ社内会議やお客様との商談ではオンライン会議を活用しているという方も多いと思います。
オンライン会議がまだ新鮮だったころは、何分も前から準備し、映り方や聞こえ方に気を使っていた方も、今やすっかり慣れてそこまで準備していないのではないでしょうか。客観的に見て、気が緩んでしまったのかなと感じる方も時々見かけます。
そこで今日は「オンライン会議慣れ」してきた今だからこそ、改めて気を付けたいポイントをお伝えします。画面越しに良い印象を与えるための、効果的な魅せ方や聴き方を学びましょう。
映り方をチェック!頭の上は10センチ空ける
良い印象を与えるためには、まず、相手からの「見え方」を確認しましょう。
対面とオンラインでは、気を配るポイントが異なります。対面の場合は、会議に臨むまでに頭から足元まで全身が相手に見えるため、全身の映る鏡などでチェックすることが大事です。
一方、オンラインで相手に見えるのは、パソコン画面に映し出される決まった範囲の中だけです。
パソコン内蔵のカメラや外付けのカメラ、会議室に置かれたWebカメラなど、カメラによって「画角」は異なります。「画角」とはカメラが実際に映す範囲を角度で表したもので、画角が広いほど映る範囲が広くなります。逆に画角が狭いと、映る範囲は狭くなります。
時々、相手の口元しか写っていなかったり、頭の上が切れていたりという、オンライン会議を見かけます。カメラの画角に合わせ、自分がどのように映るのか、画面の中をチェックしておきましょう。
テレビのアナウンサーの場合は毎日の生放送の前に、画面チェックが欠かせません。頭の上は10センチほど空いているか、手元まで映っているかなど、入念に行います。短いニュースを伝える場合、アナウンサーが画面に映る冒頭の数十秒の印象が悪いと、チャンネルを変えられてしまうこともあるからです。
オンライン会議の場合も、可能なら頭の上は10センチほど空け、バストアップが映る位置までパソコンから離れると良いでしょう。顔だけのアップで映ると、相手に威圧感を与えてしまいます。
明るさと背景も大事!対面のとき以上に意識を
画面の映り込みサイズを整えたら、次は明るさにも気を配りましょう。画面映りが暗いと、顔だけでなく、発言も暗い印象になってしまいます。
自宅の場合、カーテンを開けて自然光を入れたり、部屋の照明をつけたりしましょう。その場合、光源に向かって座るのがポイントです。光源を背後にして座ると、逆光となり、画面映りが暗くなってしまいます。
最近は顔映りをよくするリングライトなど専門商品が販売されていますが、通常のデスクライトでも代用できます。また、オンライン会議ツールの明るさ補正機能を利用することもできます。一度、設定を見てみましょう。
また、オンライン会議慣れで気が緩みがちなのが、背景です。
自宅やオフィスのごちゃごちゃした部分が映らないか、バーチャル背景はTPOに合っているか、チェックします。同時に背後の音にも気を付けましょう。オフィスや出先など人が多い場所で周りの話し声が入ってしまうと、相手に失礼となります。
このように、画面の映り込みサイズ、明るさ、背景の3つは、オンライン会議での魅せ方の基本です。
オンライン会議慣れしてしまい、「画面の端に小さく映っているだけだから」と気を配らなかったり、「映し出された自分の顔を見るのが嫌」と言って見ないようにしたり、という方もいるようです。しかし、相手の画面には、あなたの顔が大きく映し出されています。対面のとき以上に見え方を意識し、見た目を整えることが大事です。
聴き方の3つのコツ①あいづちの打ち方
ここからは、オンライン会議での聴き方について、3つのコツをご紹介します。
オンライン会議では相手の言葉と自分の発した言葉が重なってしまい、話しづらいと感じたことがある方は多いと思います。
これを防ぐための聴き方のコツが、あいづちの音を消すことです。
テレビのアナウンサーは著名人らゲストの方にインタビューをするときに、このテクニックを使っています。ゲストの方が話をされているときに、アナウンサーが「はい」「ええ」とあいづちを打ってしまうと、相手の言葉と重なってしまい、編集でも消すことができません。
そのため、アナウンサーは「うんうん」とうなずく仕草だけをして、あいづちの音は消しているのです。すべての音を消すのではなく、音声が重なってはいけない大事なシーンを見計らって、首だけを振るにようにしています。
オンライン会議では音声が遅れて聞こえることがあるため、より言葉が重なりやすい環境と言えます。聴き手は「はい」「ええ」のあいづちの音を消して、首だけを振ることで、相手の話をしっかり聞いていることを伝えましょう。
聴き方の3つのコツ②わかりやすいジェスチャー
2つめのコツは、わかりやすいジェスチャーをすることです。
オンラインでは感情が伝わりにくく、視線の先も画面の中だけに限られるため、会議が単調になりがちです。聴き手は、対面のときよりも大きめのわかりやすいジェスチャーやリアクションを心掛けましょう。
例えば数人のオンライン会議で誰かが発表し終わった後に、胸の上あたりで小さく拍手をするだけで、温かい雰囲気をつくることができます。
この時、画面に映り込むサイズを意識して、顔の近くで行うことを忘れないでくださいね。
聴き方の3つのコツ③バックトラッキング
3つめのコツは、バックトラッキングです。バックトラッキングとは、相手が発した言葉を繰り返し伝えるというもので、聴き方の技法の1つです。
会議や商談では、「指示」や「決定事項」が飛んでくることもあります。
例えば、
「〇日までに提案書を作って、〇〇さんに見せておいて」
「次回の打ち合わせには、うちの〇〇と〇〇も参加しますね」
などです。
この時に、「わかりました」「承知しました」だけではなく、相手が発した言葉を繰り返す形で、
「はい。〇日までに提案書を作って、〇〇さんにお見せします」
「次回のお打ち合わせは〇〇様と〇〇様がご参加されるのですね。承知しました」
のように返します。
オンライン会議では音声が聞き取りづらいことや、後から確認しようと思っていたらタイミングを逃してしまったということも発生しがちです。
バックトラッキングで相手に間違って受け取っていないことを伝え、ミスを防ぎます。さらに相手と同じ言葉を使うことで、相手に安心感や信頼感を与えることができます。
次回は「メールとチャットのマナー。効率よく、感じよく」
本コラムでは、社会人経験10数年以上、役職もつき、部下もいる。そんな中間管理職のあなただからこそ再確認しておきたい「ビジネスマナーの基本」を、アナウンサー社長の樋田かおりがお教えします。
次回は、オンライン会議と同様にコロナ禍で広がったテキストコミュニケーションのマナーについて取り上げます。テーマは「メールとチャットのマナー。効率よく、感じよく」。堅苦しくなりすぎず、すぐ実践できることをお伝えしていきますので、ぜひご愛読ください。