Yes!3つで、事務プロセス自働化のチャンス!作業ってこんなにスマートになる可能性が!?【バックオフィス業務6つのヒント Vol.3】
この連載では、バックオフィス業務の悩みや苦労を和らげ、もっとラクに、もっとスマートに働けるヒントをご紹介しています。
今回は、皆さんの日常作業の「デジタル」活用、「定型的な繰り返しや転記作業」などの自働化についてご紹介します。皆さんの日常でも、例えば、毎日行うExcelや業務システムへのデータ入力やデータの転記作業、定型的なメールの送信、請求書の発行や処理、さらには定期的なレポート作成などが行われていると思います。これらの業務は、手作業で行うと時間がかかり、ミスも発生しやすくなります。業務品質向上や、働き方変革を進める上での課題にもなっています。
ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation:以下、RPA)を活用し、事務処理のPCデスクトップ作業やプロセス、WEBブラウザ操作などを自動化して、従業員の負担や非効率となっていた業務作業の生産性を向上する取り組みについて紹介します。
業務は多いが、人手は限られ、ミスも許されない現場問題
皆さんは、どのような場合に「事務自働化」が有効なのか検討した事はありますか?
「反復的な手動でのデータ入力作業が多く、時間が掛かってしまう」
「複雑な確認が人の目検で行われ、間違いを見逃すことがある」
「大量のデータを手動で処理するので、ミスが発生しやすい 」
「同じデータを複数のシステムに入力する必要があり、二重の手間が掛かっている」
このような状況に遭遇し、課題を抱えて悩まれる事はありませんでしょうか?
RPAを導入することで、作業時間の短縮やエラーを減少させ、生産性を向上させることができます。そこで今回は、「日常業務の自働化」を実現した方法を具体的にお伝えしたいと思います。(自働化ツールのプログラムの書き方ではないです)
今回の目次
・自動化の魅力と疑問
・初めてのRPA導入のステップとリスクに備える
・実際の導入とその効果
・RPA導入の未来と次のステップ
自動化の魅力と疑問
RPAという言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。自動化によって生産性や品質が向上するという話を聞いたことがあるかもしれませんが、具体的に何をどうすれば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
RPAとは、ソフトウェアロボットを使って定型的な業務を自動化する技術です。これにより、手作業で行っていた業務を効率化し、ミスを減らし、コストを削減することも可能です。しっかり準備と計画化をして取り組めば、働き方を変革する事にも有効であるとも言われています。
では、どの業務を自働化すれば良いのでしょうか?
部門のメンバーとディスカッションした結果たどり着いたメソットの資料をご紹介します。こんな簡易チェックをしながら業務候補を想定することに取り組みました。
初めてのRPA導入のステップとリスクに備える
導入の初期段階では、まず自動化の対象となる業務を洗い出し、適切なRPAツールを選定することが重要です。初めての導入では、小規模なプロジェクトから始めることをお勧めします。例えば、毎日行っているデータ入力や定型的な報告書作成など、手間がかかるルーチンワークがある業務を選びましょう。
何の業務が、自動化できそうか? 視えてきましたでしょうか?
さて、ではどうやって導入するか?
単にRPAが作れる会社や人に作ってもらうのも1つのやり方ですが、私は、自動化する業務を運用している部門、または、その部門に物理的に近い場所に、RPAのスキルを持った人材を配置する事を推奨しています。
それは、なぜなのか?
答えは、簡単です。自動化した業務に導入したRPAが、止まる事があるからです。導入のステップとリスクについては、基本的な2つの考え方を明確にして、上長を含めた部門のメンバーとも認識を合わせて導入を推進した時の資料をご紹介します。
特に考慮したのは、「止めない事」です。RPAは、自動化した業務の環境変化に影響を受ける事があるという部分です。予測や予告される変化の場合は事前に対策が可能ですが、突然の変化に遭遇した場合、スピード感ある対応が必要です。日常業務が止まった場合を想定して考えます。
リスクはありますが、どんどん自動化は進めたい所です。例えば、外部のベンダーにこのリスク対応を含めたスピード感で保守してもらうには、それなりの費用が掛かります。
そこで、我々は中期的に考え、導入する部門の既存人材を育成、スキルを習得して対応する事を選択しています。つまり一般的によく言われている市民開発者の様なミッションを持ったデジタル関連に明るい人材での対応です。
実際の導入ツール選定と導入の効果
さあ、実際の導入となると、次のポイントとなるのは、適切なツールを選定することです。実際に何を考慮して選定するのか?検討した結果、5つの視点にたどり着きました。これらのポイントを考慮しながら、適切なツールを選定することで、導入後の効果を最大限に引き出すことができます。
ここで、適切なRPAツールを選定する5つの視点について考察した時の資料をご紹介します。
いかがでしょうか。導入する業務の想定、自部門に合ったツールの選定に目途が立ったら、導入する目的を再度明確にして、導入ステップを具体化して進めていきましょう。では、実際に業務プロセスに実装した「事例と効果」を紹介します。
こちらの例では、日常業務の中でお客様や従業員からの依頼を受けて資料を発送する作業に毎日時間が掛かっていました。依頼内容とシステム登録情報の確認、発送管理台帳へのデータ転記作業を自動化した結果、作業時間が大幅に短縮されミスも減少しました。従業員はより価値の高い業務に集中できるようになり、全体の生産性も向上しています。
具体的な業務プロセスと効果については下記にて図解します(システム画面はサンプルです)。
RPA導入の未来と次のステップ
皆さんも、まずは小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。最初は試行錯誤が必要かもしれませんが、その先には大きな成果が待っています。導入が1つ成功したら、次のステップとしてさらなる自動化の可能性を探ることが重要です。まずは継続すること、そこから先は、例えば生成AIとの連携による高度な自動化や、他の部門を巻き込んだ業務自働化連携などへの適用を検討しましょう。
また、導入後も継続的な改善と最適化を行うことで、効果を最大限に引き出すことができるでしょう。結果、業務をスマートにし、未来の働き方を変える大きなチャンスとなります。ぜひ、RPAを活用して、より効率的で生産的な業務環境を実現してみてはいかがでしょうか。
最後に、こんなコミュニケーションも必要という注意点も付け加えます。
自働化するプロセスは、部門メンバーがミスのないようにしっかりと確認するなど、業務に対する愛着やプライドを持って日々取り組んでいると思います。自働化する事で、自分の仕事が無くなると思い込んでしまう人も少なくありません。
しっかりと背景や目的を説明して理解をしてもらう事が重要です。他にやってもらいたい事、人がもっと手を掛けてやらなければいけない事は沢山あります。新たなチャレンジやスキルアップの機会も提供することで理解と協力が得られると思います。
次回は、皆さんの日常業務の「マニュアル作成」での「デジタル活用」についてご紹介します。