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新卒採用担当者が磨くべき、“2つのコミュニケーション力”【令和の採用担当者必見!学生の“心をつかむ”コミュニケーション力 vol.1】

少子化や人手不足が進む中、新卒採用市場の競争は年々激化しています。中小企業がこうした環境下で、新卒採用を成功させるために重要となるのが、採用担当者の「学生の“心をつかむ”コミュニケーション力」です。苦労して出会えた学生に対し自社の魅力を存分に伝え、志望度を高めてもらい、内定承諾から入社へとつなげる力が求められています。

本コラムでは、プレゼンテーションやリーダーシップ向上の研修を提供する当社が、現代の採用担当者に必要なコミュニケーション力について解説します。第1回ではその全体像をお伝えし、第2回以降で実践的なノウハウをご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

新卒学生の内定承諾の決め手は、労働条件だけではない

売り手市場の加速に伴い新卒採用の競争が激化、さらに景気の低迷や感染症の拡大など、不確実性の高い時代を経験してきた学生たちの安定志向も強まる中、労働条件や待遇を向上させることが容易でない中小企業では、応募者の確保や内定辞退の防止に苦慮し、新卒採用の難しさを感じている採用担当者も少なくありません。しかし、このような状況でも諦める必要はありません。もちろん、他社との競争力を高める上で、初任給の引き上げなどの労働環境の整備はとても重要な要素ですが、学生が企業を決定する基準はそれだけではありません。

当社が2025年卒業予定の就職先が決まっている学生に実施した「内定を承諾した決め手」調査では、1位「社風がいいと感じた、社員の雰囲気がいい」(41.5%)、2位「やりたい仕事ができる、やりがいのある仕事ができる」(41.5%)、3位「成長できる環境が整っている」(37.5%)となり、5位「給料や休日など勤務条件がいい」(27.8%)を上回る結果となりました。

一方、当社が昨年2026年卒業予定の、おもに就職活動を始めて間もない学生を対象にした『就職活動状況調査』では、「企業選びの決め手になりそうなこと」として、「仕事内容」に次いで「給与」「勤務地」「福利厚生」が上位を占める結果となりました。これらの結果から、学生は就職活動の初期段階では条件面を重視する一方、終盤の内定承諾の段階では、社風や社員の雰囲気、やりたい仕事ができるか、成長できる環境があるかといった要素が、就職先を決める上で重要なポイントになる傾向がうかがえます。

つまり、採用したい学生に出会えた時点で、自社が提供できる労働条件がその学生の理想とする水準に届いていなかったとしても、採用プロセスを通じて、学生が最終的に決め手とする3つの要素、「社風や社員の魅力」「やりたい仕事ができる」、「成長できる環境がある」につながる自社の強みを的確に伝え、「この企業で働きたい」と感じてもらえれば、内定承諾ひいては入社へとつなげることは十分に可能なのです。

学生の志望度を上げる、採用担当者の“2つのコミュニケーション力”

学生が求める3つの要素につながる自社への志望度を最大限に高め、内定承諾・入社へとつなげる上で重要となるのが、“採用担当者のコミュニケーション力”です。採用担当者は、企業説明会や就職イベント、インターンシップ、面接、内定後フォローなど、採用活動の全プロセスを通じて最も多く学生とコミュニケーションをとるキーパーソンです。採用担当者が各フェーズに応じて適切なコミュニケーションをとることで、学生の志望度は大きく高まります。

採用担当者が磨くべきコミュニケーション力は、2つあります。

★大人数の心を一度でつかむ「1対多」のコミュニケーション力
採用活動初期においては、会社説明会等での企業紹介の場面で、限られた時間の中で大人数の学生に自社の魅力を的確に伝えることが求められます。単に情報を羅列するのではなく、学生たちの興味関心、さらに自社への信頼感を持ってもらい、次の選考ステップへの参加を実現させるプレゼンテーション力が重要です。魅力的でエネルギッシュな話し方、視覚的に訴える資料や映像の活用、そして学生一人ひとりの心に響くメッセージを届けることが、選考への扉を開く鍵となります。

★一人ひとりの心をつかむ「1対1」のコミュニケーション力
選考が進むと、面接や内定承諾後のフォロー面談で学生と1対1で向き合う機会が増え、採用担当者は信頼関係を築きながら相手のニーズや価値観を迅速に把握し、それに適した自社の魅力を的確に伝えることが求められます。学生が「やりたい仕事」や「成長」において何を重視し、どんな価値を求めているかを理解し、それに応じた自社の魅力や強みを伝える対話力が必要です。

FORTUNE500企業も採用するメソッドで、採用力を強化しよう!

今回の連載では、人を動かすプレゼンテーション力や営業力のトレーニングとして、FORTUNE500(アメリカの売上トップ500社)の90%以上の企業が採用する「デール・カーネギー・トレーニング」などのメソッドを基に、採用成功につながる採用担当者のコミュニケーション力強化のポイントを紹介していきます。第2回は、学生の心をつかむ、「1対多」の場面で効果的なプレゼン術〈基礎編〉をご紹介します。