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令和の管理職の課題と、これからのマネジメントスキルとは 【令和の管理職に求められる“マネジメントスキル” Vol.1】

外部環境の変化や社員の働き方、価値観の多様化に伴い、企業の管理職に求められるマネジメントスキルは大きな変革期を迎えています。本コラムでは、リーダーシップやコミュニケーション力向上の研修を提供する当社が、「令和の管理職」に求められるマネジメントスキルについて解説します。

第1回では、現代の管理職が抱える課題と、その解決に寄与するマネジメントスキルを取り上げます。第2回以降で実践的なノウハウをご紹介します。ぜひご覧いただき、日々のマネジメントにお役立てください。

令和の管理職を取り巻く、環境の変化とは?

企業において“管理職”は、経営方針を現場に浸透させ、成果を創出する役割を担う重要な存在です。そして近年、その管理職に求められるマネジメントスキルの難易度が、一段と高まっています。

背景にあるのは、社会的・経済的変化を契機とした、企業運営のあり方や社員の働き方、価値観の多様化です。

例えば、働き方の面では、主に昭和から平成初期にかけては上司と部下が同じ場所で時間と場所を長時間共有し、「背中を見せて育てる」というような育成手法が効果を発揮していました。しかし現代は、リモートワークの普及や時短勤務制度の導入も進み、時間や場所の共有だけに依存しない職場環境でのマネジメントが求められています。

社員の就業観においては、転職市場が活発化し、1社での就業に依存せず、自律的にキャリアを築く考え方が広がっています。管理職は、退職防止の観点から、部下の望むキャリアビジョンや成長に寄与する業務分担や育成方針を検討し、実行することが重要です。

さらに、多くの市場では環境変化のスピードも加速し、商品やサービスの内容も飽和しています。これまで以上に経営層の意思決定の難易度が高まる中、顧客に近い現場の社員一人ひとりのアイデアや改善案を引き出し、ボトムアップで経営に反映させるマネジメントも要請されています。

令和の管理職が直面する2つの課題

このような環境の変化に伴いマネジメントの難易度が増す中で、近年当社には、経営者や人事担当者から、次のような管理職のマネジメントに関する課題が寄せられています。

過剰な指示・命令型マネジメントによる、部下のモチベーション低下
特に50代〜60代前半の管理職課題として多く寄せられる内容です。外部環境の変化や価値観の多様化が進む中では、「●●をしてください」といった一方的な指示だけでなく、部下一人ひとりの価値観や働き方に応じた関わりが求められます。しかし、この世代は上司と長時間ともに働き、その過程で業務を覚えてきたため、部下に合わせたフィードバックやオンラインでのコミュニケーションを苦手とする傾向があります。

さらに、「なぜできないのですか?」「見ていればわかるでしょう?」といった高圧的な関わりが加わると、さらに部下は萎縮し、チーム全体のパフォーマンスが低下します。結果的に、モチベーション低下や反発、退職を招く事態を生んでしまいます。


過度なハラスメント回避による、部下育成の放置
一方で、「指示や命令に代わるコミュニケーション力がない」と悩み、部下と深く関わることを避けた結果、育成を放置してしまう管理職が増えています。

こうした管理職の場合、部下の萎縮やハラスメントの問題は生じないものの、部下に仕事を任せないことで管理職がプレイングマネージャー化し、業務過多で疲弊するケースも見られ、また、部下も成長が実感できず、転職を選択する状況も生まれます。さらに、企業の成長には新人や若手の育成・指導が不可欠ですが、放任型のマネジメントではその機会が不足してしまうという問題もあります。

多様性の時代において、従来のマネジメントスタイルは通用しにくくなっています。一方で、部下育成を放置するという新たな弊害も生まれています。では現代の管理職は、時代に合わせてどのようなマネジメントスキルを向上させていくべきなのでしょうか。

3つのマネジメントスキルで、部下を動かす、部下を育てる!

現代の管理職が、部下をモチベーション高く動かし、育成していくためには、「信頼関係を構築する対話力」「強みを活かしたチームビルディング力」「適切に仕事を任せる力」の3つの力を、段階的に伸ばしていくことが重要です。

部下と信頼関係を構築する対話力
最初のステップとして最も重要なのが、「信頼関係を構築する対話力」の向上です。対話力とは、部下の本音や思いをくみ取り、尊重しながら、自分(上司)の意見や考えを適切に伝え、双方が納得できる解決策や方向性を導き出すために必要なコミュニケーション能力です。対話によるコミュニケーションが積み重ねられると、画一的な指示・命令ではない、部下に応じた適切なフィードバックも容易に行うことができます。

多様な価値観や就業観を持つ部下に対し、本音を丁寧にくみ取り、それをマネジメントに活かす上司の姿勢は、信頼関係構築の土台となり、チームビルディングや部下育成の過程でも大きな効果を発揮します。

強みを活かしたチームビルディング力
対話力が向上し、部下との信頼関係が構築されたあとは、「強みを活かしたチームビルディング力」を発揮し、チームマネジメントを行うことが有効です。

かつての部下育成は、「部下の弱点を指摘し、克服させる」といった方法が主流でした。確かに、「モノを作れば売れる時代」、すなわち正解が明確な環境では、弱点(減点)を作らせない育成方針も有効だったと言えます。しかし、変化が速く多様性に富んだ現代では、よりイノベーティブな組織をつくるために、社員一人ひとりの強みを見出し、それを最大限に活かすマネジメントに切り替える方が効果的です。加えて多様性が認められた環境では、部下のモチベーションも最大化されます。

適切な権限委譲 (仕事を任せる力)
部下の強みを活かしたチームビルディングが構築できたら、後進の育成を目的にした権限委譲を行います。権限委譲によって、管理職は部下に業務を任せて自分の時間ができれば、マネジメントの業務に集中できますし、社員は業務を任せられることでスキルアップや成長の機会を得られ、モチベーションの向上にもつながります。

しかし権限委譲はやり方を誤ると、逆に管理職の業務が増えてしまったり、任せた社員のモチベーションが下がったりするなど、期待する効果が得られない可能性もあるため、適切に行う必要があります。自社やチームにとって理想的な権限委譲の状態を理解し、必要なステップを押さえ、部下のモチベーションを高めながら実行していくことが重要です。

次回からは、3つのマネジメントスキルの実践的な内容をご紹介していきます。第2回のテーマは、令和のマネジメントの土台となる、「信頼関係を構築する対話力」です。ぜひご覧ください。