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強みを活かしたチームビルディングの第一歩【令和の管理職に求められる“マネジメントスキル” Vol.3】

この連載では、リーダーシップやコミュニケーション力向上の研修を提供する当社が、「令和の管理職」に求められる3つのマネジメントスキルを解説します。第2回では、部下の本音や思いをくみ取り、尊重しながら上司の考えを伝え、信頼関係を構築しながら双方が納得できる解決策を導くための「対話力」を紹介しました。対話力が高まり、部下との信頼関係が築けたら、次のステップとして、「強みを活かしたチームビルディング力」を発揮し、部下が主体的に動けるチーム作りを行いましょう。

【過去のコラムはこちら!第1回/第2回

「強み」に注目したチームビルディングの効果

変化の速い現代では、多様な個性や価値観を持つメンバーが協働し、イノベーションを生み出せる組織づくりが求められます。そのためには、部下一人ひとりの強みを見出し、それを最大限に発揮できるよう支援するマネジメントが効果的です。

世界的な調査会社であるギャラップ社の研究によると、自分の最も得意なことを毎日行う機会がある人は、そうでない人と比べて6倍も仕事に意欲的かつ生産的に取り組み、さらに「生活の質が高い」と感じる割合も3倍以上に上ることがわかっています。また、人材育成において上司が部下の強みに着目すると、部下が周囲に悪影響を与える確率はわずか1%にまで低下するという結果もあります。

逆に、上司が部下の弱みに注目すると、部下が周囲に悪影響を与える確率は22%になり、上司が部下を無視した場合は40%にまで上昇します。ここでいう悪影響とは、例えば仕事の依頼に対して「それは私の仕事ですか?」と受け入れを拒んだり、手を抜いて業務を行ったり、会社や上司の不平不満を社内で広げるといった行動があげられます。

もちろん、生産性の低下を著しく招いている弱みは、最低限までは改善してもらう必要はあります。しかし、「ここが足りない」「もっと改善を」と指摘を重ね続けても、部下の意欲は上がりにくいですし、弱みを改善できたとしてもそれが強みになる可能性は低く、チームの生産性の向上にはつながりません。

部下の強みに注目したチームビルディングを行い、社員一人ひとりの意欲を高め、チーム全体のパフォーマンスを向上させる必要があります。

部下の強みを見つける方法

では、具体的に部下の強みを見つける方法を4つご紹介します。取り組めそうなものから実践してみてください。

■部下の強みを書き出す

まずは、部下全員の強みを直感的に書き出してみましょう。一人につき3つ程度で構いません。「弱みは出てくるけれど、強みが出てこない……」という方は、思いつく弱みを強みに裏返す方法もおすすめです。弱みと強みは表裏一体です。例えば、細かいことが気になるという弱みを持っている場合、注意深さや丁寧さという強みとしても活きているかもしれません。ネガティブな面をポジティブな観点から再評価することも、強みを見つける手がかりになります。

■日常の業務を観察し、対話で掘り下げる
部下がどの場面で力を発揮しているかを観察します。部下がスムーズに取り組める作業や楽しそうに集中している場面に注目してみましょう。過去の成功事例を掘り起こして、その成功の要因を分析することも効果的です。たとえば、数字を扱う仕事が得意、資料作成に工夫を凝らす、周囲と円滑に連携するなど、行動パターンから強みを知ることができます。

また、1on1や雑談も強みを探れる良い機会になります。「どんな仕事にやりがいを感じるか」「どの部分が得意だと自分で思うか」とオープンクエスチョンで聞くことで、本人の認識を確認できます。

■他者の視点も活用する
本人だけでなく、同じチームの同僚や他部署の社員からの客観的な視点から社員の強みを把握できます。「〇〇さんはプレゼンがうまい」「問題解決力が高い」といった声を集め、共通する意見は間違いなくその人の強みです。

場合によっては顧客からの評価も強みの把握に有効です。例えば、社内で目立たない営業事務の社員が、実は顧客からとても良い評価をもらっているというケースもあります。

■強み診断ツールを活用する
強み診断ツールを活用するのもおすすめです。強みを診断するツールには、「クリフトンストレングスファインダー®」「VIA-IS」「Strength Profile」などがあります。

「クリフトンストレングスファインダー®」はギャラップ社が開発した診断ツールです。このツールは、50年以上にわたる心理学の研究や、ビジネスパーソンへのインタビューなどを基に開発された才能(資質)診断ツールです。「適応性」「コミュニケーション」「達成欲」など34の資質から、自身の上位5つの資質を知ることができます。(標準版では上位5つ、オプションを使うと34資質すべて順番がわかります)。

「VIA-IS」は、ポジティブ心理学の第一人者であるクリストファー・ピーターソン博士と、マーティン・セリグマン博士が開発した強み診断ツールです。日本では、一般社団法人・日本ポジティブ教育協会のWebサイトで公開されています。大人向けの診断では、20~30分の無料診断で、自分の特徴や強みを把握可能です。診断結果の概要は日本語で確認できますが、詳細な有料レポートは英語での出力になります。

「Strength Profile」は、キャップフィニティ社が提供する診断ツールで、60種類の強みを測定します。強みのバランスを視覚的に示し、強みの活用度やエネルギーレベルを評価できます。現時点では日本語版はなく、英語での受検・レポート出力が基本となります。

強み診断ツールを利用すると、強みの言語化・自覚化が可能になり、チーム内で共通理解を持つことができます。お互いの得意分野を知るきっかけにもなるため、新人紹介や人事異動時のチームビルディングにも活用できます。

今回紹介した方法を実践することで、信頼関係を土台とした、「強みを活かすチームビルディング」が可能になります。次回は、さらに踏み込んで「強み」をマネジメントにどのように活かすのか、具体的な実践ポイントを紹介します。部下の強みを最大限に活かすチームづくりのヒントに、ぜひご期待ください。