【2025年版】8月のビジネスメール・手紙の挨拶文例~お役立ちコンテンツ~
2025年の夏も全国的に厳しい暑さが続いています。体調管理に一層の配慮が求められる中でも、8月はお盆をはじめとする季節の行事や夏季休暇など、平時とは異なる動きが生じる時期です。このような時期には、取引先や関係各所へのご挨拶や連絡において、通常とは異なる配慮が必要になる場面もあるかもしれません。
本稿では、8月に送るビジネスメールや手紙に添える時候の挨拶と結びの言葉について、フォーマル・カジュアルそれぞれの場面に適した表現を紹介します。相手との関係性や利用するツールに応じて、適切に使い分けていただければ幸いです。
目次
●【メール】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉
●【メール】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉
●【手紙】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉
●【手紙】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉
●まとめ
【メール】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉
日本の8月は、一年のうちでも特に厳しい暑さが続く時期でありながら、月の後半にはどこか秋の気配も感じられるようになります。時候の挨拶においては、こうした季節の移ろいを丁寧に捉えた表現を用いることで、相手に好印象を与えることができるでしょう。今回はまず、フォーマルなビジネスシーンに適したメールの文頭および文末の挨拶表現を紹介します。
時候の挨拶
フォーマルな場面においては、「○○の候」「○○のみぎり」など、漢語調の時候の挨拶がふさわしいとされています。その後には、相手先のご繁栄やご健康をお慶び申し上げる一文を添えるのが一般的な形式です。送信する時期や、相手がお住まいの地域の気候などにも配慮し、季節感のある表現を選ぶよう心がけましょう。
・盛夏/盛暑/大暑の候(みぎり)、貴社いよいよご盛栄のこととお喜び申し上げます。(8月上旬)
・立秋の候(みぎり)、貴社におかれましてはますますご健勝のことと、お喜び申し上げます。(8月中旬)
・晩夏の候(みぎり)、貴社におかれましては一段とご隆盛の由、大慶の至りと存じます。(8月中旬)
・残暑/処暑の候(みぎり)、〇〇様におかれましては一層ご清祥のこととお慶び申し上げます。(8月下旬~)
結びの言葉
文末には、文頭の挨拶表現と重複しないよう注意を払いながら、相手の健康や発展を願う一文を添えると良いでしょう。丁寧な言葉で文を締めくくることで、文章全体に礼節が感じられ、より好印象を与えることができます。
・残暑なお厳しき折、貴社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
・晩夏のみぎり、皆様のご無事息災をお祈り申し上げます。
・秋暑の折柄、ご自愛専一に精励ください。
・残炎耐え難い時節ではございますが、今後ともお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。
【メール】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉
日頃から頻繁にやり取りのあるお客様や、比較的親しい関係にある相手には、ややくだけた口語調の時候の挨拶を用いることで、程よい親しみや温かみを伝えることができます。たとえば「危険な暑さ」や「ゲリラ豪雨」「熱中症」など、季節に応じた注意事項にもさりげなく触れながら、相手を気遣う文面を心がけたいものです。今回は、日常的なビジネスメールにも応用できる、カジュアルな時候の挨拶と結びの表現を紹介します。
時候の挨拶
口語調の時候の挨拶においては、まず8月らしい季節感のある表現を用いたうえで、相手の体調や多忙を気遣うひと言を添えると、より丁寧で心のこもった印象を与えることができます。
・厳しい暑さが続いておりますが、貴社におかれましては益々ご隆昌のことと存じます。
・今年もすでに全国で最高気温記録が更新され、「危険な暑さ」や「ゲリラ豪雨」への注意も呼びかけられておりますが、いかがお凌ぎでしょうか。
・立秋とは名ばかりの猛暑が続いておりますが、○○様におかれましては、一段とご活躍のことと拝察いたします。
・ひぐらしの声に、ゆく夏の寂しさを感じられる季節となりました。お元気でご活躍のことと存じます。
・朝夕はかすかに秋の気配を感じられるようになりました。いかがお過ごしでしょうか。
・涼しい季節が待ち遠しい今日この頃、お変わりありませんか。
結びの言葉
ビジネスメールの結びには、厳しい暑さや夏の疲れを気遣うひと言を添えるのが一般的ですが、次第に和らぎゆく気候や、秋の訪れへの期待を表現するのも一案です。文面全体の雰囲気に調和した、丁寧でやわらかな表現を意識することで、より洗練された印象のある文章に仕上がります。
・今しばらく残暑が続きそうです。皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
・連日の猛暑により冷たいものが恋しい季節ですが、夏風邪など召されませぬようご自愛ください。
・実り多き秋に向かい、どうぞ健やかにお過ごしください。
・暑さ厳しき折、ますますのご活躍をお祈りいたします。
・新涼の朝はもうしばらく先のようです。くれぐれもご自愛ください。
【手紙】フォーマルな時候の挨拶と結びの言葉
公的な文書やビジネスレターにおいては、伝統的な書式に則り、改まった表現を用いることが一般的です。ここでは、ビジネスレターにおける文頭および文末の表現について紹介します。
時候の挨拶
フォーマルな手紙を作成する際には、文頭に「謹啓」や「拝啓」などの頭語を添えることで、より格式のある文面となります。その後には、ビジネスメールと同様に、漢語調の時候の挨拶を続けることで、礼節をわきまえた印象を与えることができます。
・謹啓 残暑の候(みぎり)、貴社におかれましては一段とご隆盛のことと、お喜び申し上げます。(謹言)
・謹呈 立秋の候(みぎり)、○○様におかれましては、なお一層ご健勝のことと拝察いたします。(謹白)
・恭啓 新涼の候(みぎり)、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。(敬白)
・拝啓 向秋の候(みぎり)、貴社ますますご繁盛の段、大慶至極に存じます。(敬具)
・拝呈 晩夏の候(みぎり)、いよいよご清祥のこととお喜び申し上げます。(敬白)
結びの言葉
連日にわたって厳しい暑さが続くこの時期は、体調を崩しやすい季節でもあります。文末には、相手の健康や繁栄をお祈りする言葉を添えることで、思いやりの伝わる印象の良い文章になります。また、文頭に「拝啓」や「謹啓」などの頭語を用いた場合は、それぞれに対応する結語(「敬具」「謹白」など)で文を締めくくるよう留意しましょう。
・(謹啓)暁夏の折、貴社ますますのご繁盛を心よりお祈り申し上げます。 謹言
・(謹呈)秋暑の候、〇〇様のより一層のご活躍を祈念いたします。 謹白
・(恭啓)残暑の折、末筆ながら、皆様の益々のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。 敬白
・(啓上)何とぞ倍旧のご高庇ご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。 拝具
【手紙】カジュアルな時候の挨拶と結びの言葉
形式ばった表現よりも、親しみの感じられる雰囲気を大切にしたい場合には、メールと同様に、口語調の時候の挨拶や文末のひと言を活用すると良いでしょう。ここでは、カジュアルな場面で用いることのできる、手紙に添える文頭および文末の表現を紹介します。
時候の挨拶
カジュアルな手紙では、「拝啓」や「敬具」といった頭語・結語を省き、季節感を感じさせる言葉から書き始めるのが自然です。そのうえで、お相手がお住まいの地域の気候に触れつつ、体調やご様子を気遣う一文を添えることで、温かみのあるやりとりが生まれるでしょう。
・残暑お見舞い申し上げます。お変わりなくお過ごしでしょうか。
・立秋とは名ばかりで強い日差しが肌を射す日が続きます。いかがお過ごしでしょうか。
・吹く風に秋の気配を感じるこの頃、○○様もお元気でお過ごしのことと拝察いたします。
・夏を惜しむひぐらしの声に涼を感じる季節となりました。貴社ますますご壮健のことと存じます。
・日中の暑さは衰えを知らぬばかりですが、朝夕の風に秋の気配を感じる季節となりました。○○様におかれましては、相変わらずご活躍のことと存じます。
結びの言葉
手紙の締めくくりには、文頭の雰囲気に調和するような、やわらかく温かみのある表現を選ぶと良いでしょう。お相手のご健康やご多幸をお祈りする一文に加え、今後のご厚誼やご指導をお願いする言葉を添えることで、思いやりの気持ちがより丁寧に伝わります。
・残暑の時節柄、どうかご自愛専一にお過ごしください。
・まずは残暑のお見舞いを申し上げます。
・残暑なお厳しき折柄、くれぐれもご自愛下さい。
・皆様方のご無事息災を心よりお祈り申し上げます。
・貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。
まとめ
改まった場面で用いる漢語調の表現から、日常的なやり取りの中で使える口語調の挨拶まで、8月にふさわしい時候の挨拶を紹介しました。長引く厳しい暑さや局地的な豪雨など、体調や生活への影響が懸念されるこの季節だからこそ、古くから伝えられてきた時候の挨拶を添えることで、相手への思いやりや気遣いを丁寧に伝えることができます。
使用するツールや相手との関係性、そして季節感に応じて表現を適切に使い分けることで、文章全体の印象も整い、より伝わるコミュニケーションが実現できるのではないでしょうか。











