セキュリティDXで、オフィスの安全性の担保と運用の効率化を実現
Webサイトをハッカーによるサイバー攻撃から守るセキュリティサービスを提供する、株式会社サイバーセキュリティクラウド。同社では、2022年5月に自社オフィスを移転。それに伴いオフィスの物理的セキュリティ対策を一新した。そこで採用したのが、セーフィー株式会社が提供する、顔認証入退室管理サービス「Safie Entrance2(セーフィー エントランス2)」。Webセキュリティ企業が自社のセキュリティのために、同サービスを採用した理由とは。オフィス移転プロジェクトを担当した人事部部長の下村岳氏に話を伺った。
企業の信頼性を損ねる経営的課題
パンデミックの影響が2年以上続く中、働く環境は大きく変化した。従来のようなオフィス空間だけでなく、外部からも社内システムにアクセスすることが、当たり前になった中で、システムの脆弱性を狙ったサイバーセキュリティへのリスクは増大している。
この背景には、二つの要因がある、と下村氏は言う。「昨今、クラウドを利用したサービスが普及したことで、インターネット上で個人情報や機密情報を取り扱う機会も増え、それらの情報資産を狙った攻撃が多くなっています。また、攻撃対象が増えたことで新たな攻撃手法も増え、ツールの進歩に伴いサイバー攻撃そのものが容易に行えるようになったことも影響しているといわれています」
実際に、サイバー攻撃による経済的打撃も起きている。アメリカ最大の石油パイプライン「コロニアル・パイプライン」は2021年にサイバー攻撃に遭い、5日間にわたって操業を停止した。復旧の見返りとして、ハッカーが多額の金銭を要求したため、これに応じる結果となった。サイバーセキュリティのリスクは事業停止や株価下落などを引き起こし、企業としての信頼性を損ねる、まさに経営的な課題といえる。
サイバーセキュリティに対する課題は、一つのサービスで全ての攻撃を防ぎきれないことにある。企業の事業内容やサプライチェーンによってもリスクが異なるため、自社でリスクを事前に把握し、政府機関や業界団体などが作成するガイドラインを参考にきめ細かな対策を講じることが求められる。
サイバーセキュリティクラウドでは、Webアプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃から守るためのWebセキュリティサービス(WAF)を展開している。そのうち「攻撃遮断くん」はクラウド型のWAFで、Webサイトへの攻撃を可視化、遮断する。攻撃を検知するAIエンジンを搭載し、一般的な攻撃だけでなく、未知の攻撃も自動的に発見してくれる。こうした技術による高い安全性から、同サービスは導入シェアで国内 No・1*¹となっている。
クラウドと顔認証でセキュリティをオンラインで管理
そんな同社だが、社員数の増加によりオフィスを移転した。それに合わせて、オフィスの物理的なセキュリティ対策も一新。そこにはセキュリティ企業としての品質の高いセキュリティの担保と、働きやすさの向上という目的があった。
従来、オフィスへの入室にはカードキーが必要だった。一見すると対策が講じられているように見えるが、カードの紛失や貸し借りが可能といった課題もあった。またコロナ禍によって、カードキーへの負担感が増した、と下村氏は言う。「カードキーは社員の入退社の際に貸与・返却が必要で、管理にも手間がかかります。感染症拡大の影響で出社する機会が減っていく中、わざわざオフィスに来て、物のやりとりをする物理的なハードルが上がったように感じます」
上述のような課題を抱えながら、下村氏はセキュリティの質を担保しつつ、運用しやすい新たなシステムの導入を検討した。その中でセーフィー株式会社が提供する「Safie Entrance2(セーフィー エントランス2)」の存在を知った。同サービスは顔認証での入退室管理が可能だ。認証する端末はスマートフォンほどの大きさで、ドアを開ける動線上の壁面に設置。自然な動作の中で自動的に認証・解錠ができる。
セキュリティ面では顔認証を採用しているため、鍵の貸し借りや「鍵を紛失する」リスクを避けることもできる。社員の追加には顔の画像をオンライン上にアップロードするだけで認証できるようになる。「複数のシステムから検討しましたが、実際に利用してみて、使い勝手を体感しながら選定しました。画面構成が分かりやすく、使う中での混乱もありませんでした」
コロナ禍で変化したオフィスの役割にも対応
利用する社員からの反応も上々だ。「以前はデスクや自宅にカードを忘れて、オフィスに入れない事案が発生していましたが、そういったリスクはなくなりました。またそれに伴う問い合わせも減ったので、管理する側としてもありがたいです」
今回の導入はセキュリティ対策でありながら、人事部門が主導した。それはオフィスの役割を考える観点によるものだという。「弊社では、総務業務を担当する別の部署も存在していますが、今回のオフィス移転では、社員が生産性高く働くことができ、社員間のコミュニケーションも活性化できる環境づくりというコンセプトを掲げていたため、人事部門が主導しました。社員の体験をより快適なものにするため、IT部門と連携してセキュリティシステム導入まで担当することになったのです」
新しいオフィスでは個人の生産性を高めるためのワークスペース、カフェのようにくつろげるスペースなど、さまざまな用途に合わせた空間をつくった。「テレワークの普及によって、オフィスの役割が交流を通じてイノベーションが生まれるハブとなる空間へと変化しています。担当者としては社員にはテレワークだけでなく、ぜひオフィスも積極的に活用してもらいたいです」
オフィス移転という転機を活用し、セキュリティと働く空間、その両面で質を向上させた同社。意外な一石二鳥はDXの活用ならではの結果かもしれない。
会社概要
セーフィー株式会社
住所:〒141-0031 東京都品川区西五反田1-5-1 A-PLACE五反田駅前
URL:https://safie.link/service/analysis/
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