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ラクス×プラスアルファ・コンサルティング、資本業務提携を発表 HR領域強化へ

2025.12.08
奥山晶子

2025年11月17日、株式会社ラクス(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:中村 崇則、以下:ラクス)と株式会社プラスアルファ・コンサルティング(本社:東京都港区、代表取締役社長:三室 克哉、以下:プラスアルファ・コンサルティング)は、資本業務提携に関する記者発表会を開催した。両社が得意とする顧客層や技術領域を掛け合わせることで、HR領域における新たな価値創出を目指す。両社の代表が登壇し、提携の背景と今後の展望について語った本会の模様をレポートする。

両社の事業概要

まずは両社の代表により、それぞれの事業概要が紹介された。

ラクス:SMB/MMB領域に圧倒的な存在感

2000年創業のラクスは、バックオフィス業務の効率化に特化したクラウドSaaSを展開。アカウンティングファイナンス、HRテック領域、オペレーションワークフロー(販売管理)分野に強みを持つ。主に中堅・中小企業(SMB/MMB)をターゲットとして「楽楽精算」「楽楽明細」「楽楽販売」「楽楽自動応対」など複数のシェアサービスを保有し、月額課金モデルで安定成長を続けている。

プラスアルファ・コンサルティング:マーケからHRへ、エンタープライズに強み

プラスアルファ・コンサルティングは、顧客情報やECアクセスログ、営業日報、人事情報など膨大なデータをテクノロジーで見える化し、マーケティングに活かすサービスを提供してきた。2016年からHR領域へ進出し、人事DX・科学的人事を実現するSaaS「タレントパレット」を展開。IT・データを活用した意思決定を高度化する「科学的人事」と、人事業務を効率化する「人事DX」を両輪にオールインワンサービスを提供している。強みは、従業員数1000人以上のエンタープライズ市場で高い評価を得ていることだ。

提携に至った理由

今回、資本業務提携として、ラクスはプラスアルファ・コンサルティングの株式を4.09%取得した。取得はラクスのみで、持ち合いは実施しない。

株式会社ラクス 中村崇則 代表取締役社長

私どもとしてはエンタープライズ、大企業を攻めていく。 そしてプラスアルファ・コンサルティングさんとしては、SMB、MMB、中小企業、中堅企業というところを攻めていくという中で、がっちりと協業して、よりいいサービスを広めていきたいという思いで資本提携させていただくこととなりました」(ラクス中村社長)

OEM製品「楽楽人事労務」について

「楽楽人事労務」は、両社が単独ではカバーできていない領域に切り込む

業務提携の第1弾として、プラスアルファ・コンサルティングの「タレントパレット」の一部機能をラクスがOEM化し、「楽楽人事労務」として中堅・中小企業向けに展開する。標準機能は人事管理・労務管理、楽楽勤怠とのマスター連携であり、提供開始は2026年1月から3月を予定。今後、「楽楽クラウド」の他サービスとも連携も想定している。

株式会社プラスアルファ・コンサルティング 三室克哉 代表取締役社長

「タレントパレットは、1000名を超える大企業ではデータを活用した高度な人事分析などのニーズが強く、1000名未満の企業ではまずデータベースを作り、労務管理や人事評価の効率化を図りたいという実務的なニーズが中心となります。今後、タレントパレットと、中堅・中小企業向けの『楽楽人事労務』という2つのサービスで、HR領域へ包括的に取り込みたいと考えています」(プラスアルファ・コンサルティング三室社長)

今後の展望

「楽楽人事労務」は、2028年までに2000社の導入を目指す。まずはラクス社の既存サービスを検討、利用している会社からサービス紹介していくという。

質疑応答では、SaaS業界の今後についても言及があった。「労働人口の減少により、マーケットの成長率も落ちてくるとなると、全く新しいサービスを出しても淘汰されてしまうおそれがあります。そういった意味では、これはSaaS業界に限ったことではないですが、サービスの連携や統合を行って進まなければならないと思います」(ラクス中村社長)

両社は今後の展開も視野に入れ、人事・労務領域の支援体制を強化していく方針だ。