総務省「労働力調査」、厚労省「一般職業紹介状況」公表 人手不足の状況は
総務省は、2022年10月28日に、「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)9月分及び7〜9月期平均の結果」を公表。同日に厚生労働省は「一般職業紹介状況(令和4年9月分)」を公表した。
完全失業率は2.6%。前月に比べ0.1ポイントの上昇
総務省による労働力調査は、統計法に基づく基幹統計調査として国民の就業及び不就業の状態を明らかにするための基礎資料を得ることを目的として毎月実施している。
今回の発表では、以下の結果が示された。
【就業者】
・就業者数は6766万人。前年同月に比べ40万人の増加で、2カ月連続の増加。
・雇用者数は6070万人。前年同月に比べ51万人の増加。7カ月連続の増加。
・正規の職員・従業員数は3589万人。前年同月に比べ22万人の減少。4カ月連続の減少。非正規の職員・従業員数は2133万人で前年同月に比べ63万人の増加。8カ月連続の増加となった。
【就業率】(就業者/15歳以上人口×100)
・就業率は61.3%。前年同月に比べ0.8ポイントの上昇
・15〜64歳の就業率は78.8%。前年同月に比べ0.9ポイントの上昇
【完全失業者】
・完全失業者数は187万人。前年同月に比べ7万人の減少。15カ月連続の減少
・求職理由別に前年同月と比べると、「勤め先や事業の都合による離職」が9万人の減少。「自発的な離職(自己都合)」が2万人の増加で、「新たに求職」が2万人の増加となった。
【完全失業率】(完全失業者/労働力人口×100)
・完全失業率(季節調整値)は2.6%。前月に比べ0.1ポイントの上昇となった。
【非労働力人口】
・非労働力人口は4071万人。前年同月に比べ77万人の減少。7カ月連続の減少となった。
■出典元:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)9月分及び7〜9月期平均の結果」
宿泊業・飲食サービス業の新規求人が29.5%増
一方、厚労省が公表した「一般職業紹介状況(令和4年9月分)」によると、有効求人倍率(季節調整値)は1.34倍となり、前月を0.02ポイント上回った。新規求人倍率(季節調整値)は2.27倍となり、前月を0.05ポイント下回った。
正社員有効求人倍率(季節調整値)は1.03倍となり、前月を0.01ポイント上回った。9月の有効求人(季節調整値)は前月に比べ0.9%増となり、有効求職者(同)は0.8%減となった。
また、9月の新規求人(原数値)は前年同月と比較すると9.8%増となった。
■出典元:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年9月分)」
まとめ
2022年10月11日より日本の水際対策が大幅に緩和され、訪日外国人観光客が入国しやすくなった。これに伴い、「宿泊業、飲食サービス業」において、人手不足が急拡大している状況がうかがえる。一方で外国人労働者が円安の影響で「日本離れ」を起こしているとの指摘もある。人材確保をどのように計画していくか、改めて検討が必要になりそうだ。