掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

企業倒産は3年ぶり増加確定 「リーマン」以来の急増ペース

2023.03.10

帝国データバンクは、2023年2月の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)について集計し、分析を行った。

概況

概況

倒産件数は574件(前年同月428件、34.1%増)と、10カ月連続で前年同月比増加。前年同月から30%以上の増加は、コロナ禍で法的整理の滞留による影響から反動増となった2021年5月を除くと、2009年1月(30.2%増)以来14年1カ月ぶり。

負債総額は1005億4600万円(前年同月780億6600万円、28.8%増)と、3カ月ぶりに前年同月から増加。2月としては2019年以来4年ぶりに1000億円超を記録した。

<主要ポイント>

<主要ポイント>

■業種別:7業種中5業種で前年同月比増加。飲食店(前年同月33件→66件)や飲食料品卸売(同12件→19件)など食品関連産業での増加が続く
■主因別:「不況型倒産」は451件発生。「売掛金回収難」は8年6カ月ぶりの急増
■規模別:負債「5000万円未満」や「1億円未満」の小規模零細企業の増加が目立つ
■業歴別:業歴10年未満の「新興企業」は13年6カ月ぶりの12カ月連続増加
■地域別:四国を除く全地域で前年同月比増加。近畿(前年同月88件→142件、61.4%増)や中部(同38件→83件、118.4%増)では大幅な増加が続く

集計期間:2023年2月1日~2月28日
発表日:2023年3月8日
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産

注目の倒産事例

コロナ融資後倒産:2022年度は400件に迫る、前年度比2倍ペース 焦げ付き総額は368億円

人手不足倒産:2022年度は125件、3年ぶりに増加 「採用難」の人手不足目立つ

物価高(インフレ)倒産:2023年2月は53件発生 前年度から3倍ペースで増加、過去最多に

後継者難倒産:2023年2月は32件発生 過去最多の19年度と同水準のペース

今後の見通し

コロナ融資など長期にわたる金融支援により、外部からの支援なくては「自立」さえままならない中小企業が大幅に増えた。そうした状況も取引銀行が融資先の「選別」色を強めるなど変化している。事業環境の悪化から収益改善を果たせぬまま経営に行き詰まる中小企業の倒産が増加していく可能性は高まっている。

まとめ

今夏以降、ゼロゼロ融資の元本返済をこれまで据え置いてきた企業の返済開始時期が順次到来する。官民挙げて「ポストコロナ」の出口戦略が動き出すなか、過剰債務に苦しむ中小企業の経営正常化が以前にもまして急務だ。そうした観点からも2023年度は、企業および産業の新陳代謝を進めながら中小企業の過剰債務問題をいかにソフトランディングさせるかが問われる1年となるだろう。