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「固定化したやり方・考え方」に課題【年上の部下へのマネジメント調査】対話が課題解決のキー

2023.07.28
オフィスのミカタ編集部

企業や組織のチームワークや、自律型組織づくりを支援するサイボウズ チームワーク総研では、年下の上司1500人、年上の部下1000人を対象に「年上の部下へのマネジメント」に関する意識調査を行った。

年下の上司に聞く「年上の部下へのマネジメント」調査

「年下の上司」と「年上の部下」との関わりからみるマネジメント支援

「年下の上司」と「年上の部下」との関わりからみるマネジメント支援

現在、30-50代会社員のうち、「直属の上司が年下」である人は約20%。従業員数2000人以上の大企業では、30%近くに達している。今後、年功序列から成果主義へのシフト、定年の延長によるシニア社員の増加などで、上司が年下であるケースはさらに増える可能性があるとして、サイボウズチームワーク総研では、「年下の上司」と「年上の部下」との関わりを調べ、マネジメント支援のための視点を探った。

調査の結果、年下の上司と年上の部下、ともに76%が「相手との仕事はやりやすい」と回答している。その理由について、年上の部下は「仕事を任せられる」「相手が聞く耳を持っている」「相手のスキルや経験が十分」年下の上司は「相手に上から目線がない」「相手が聞く耳を持っている」「相手が話しかけやすい雰囲気」という意見が上位であった。

年上の部下へのマネジメントにおける課題と期待

年上の部下へのマネジメントにおける課題と期待

年上の部下へのマネジメントに必要と思うことについて、年下の上司側の意見で最も多く上がったのは「敬語・丁寧な言葉遣い」41.9%だが、年上の部下側では27.7%に留まっている。一方、マネジメントされる側となる年上の部下側では、「部下の話を聞く」が43.2%と最多に。

また、年下の上司に対し、「自身が年下の上司で、苦労したこと」を自由回答で聞いたところ、「年上の部下の固定化したやり方・考え方」「年上の部下に気を遣い、伝え方が難しい」「年上の部下と他メンバーとの、関係調整」といった意見が見られた。

「年上の部下の価値観は、なかなか変わらない」「年上の部下は、所属チームの人間関係に置いて気を遣う」という意見については、年下の上司の過半数が「そう思う」と回答している。

年上の部下に関して年下の上司は「若い人の手本となるべき」80.8%、「所属チームのパフォーマンス発揮の主力となるべき」74.6%、「あれこれ指導しなくても、自走して成果を出すべき」73.2%、「上司に適切な助言やアドバイスをするべき」62.7%と回答。年上の部下の回答でも同様の傾向がみられた。

サイボウズチームワーク総研が提案するソリューション

「年上の部下の固定化したやり方・考え方」に苦労する年下の上司。この改善に対し、サイボウズチームワーク総研は研修や講義、ワークショップを提供している。

「同じく年上の部下(アラフィフ社員)としての立場から、苦悩の変遷と自らの進化を話す講義が好評です。自身の経験や価値観を『押しつける』ことは、いかに組織の進化を阻害するかといった観点について、気づきや理解を促します。また、多様性を受容しやすくするカードワークや、自分のバイアスを越えてチームで成果を出すための対話手法を研修で提供しています」(サイボウズチームワーク総研担当者)。

参照:「よかれ」と思った発言がサイボウズで社内炎上若手社員のフィードバックで気づいた、アラフィフ社員の学び

年上部下の「昭和の価値観」を覆すには

調査結果を見ると、年上の部下に対して「相手との仕事はやりやすい」と約8割が回答している一方で、年下の上司にとって、「年上の部下の強固な価値観」や「年上の部下と他メンバーの関わり」といった点が、苦労のポイントであることも明確になっている。バックオフィス担当者は、年上の部下になった層に対してどういった点に気をつけて業務改善を提示していけばいいのだろうか。

サイボウズチームワーク総研担当者は、「今の価値観を無理に覆そうとせずに、時間をかけて対話することから始めるのがいいです。そして関わるメンバーで、代替のやり方を探り考えるステップをとりましょう。年上の部下に対しての期待を伝えつつ、他のメンバーの成長も勘案してこうしてほしいといった要望も加えるなど、期待と要望をセットで伝えることから始めてみていただきたいです」と述べた。