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若手は「成長」に対して焦りがある!? 調査から見えた20代の働く意義や目的

2023.08.22
オフィスのミカタ編集部

株式会社ジェイックが運営する、フリーター・既卒・第二新卒向けの就職支援サービス「ジェイック 就職カレッジ®」は、20代の求職者132名に対して「働くことへの価値観」に関するアンケートを実施。オフィスのミカタ編集部ではその詳細を取材した。

多様化する働き方、20代求職者に働く意義を調査

本調査では20代の求職者を対象に、働く意義や目的について尋ねている。株式会社ジェイックでは調査の実施にあたり、「企業の人手不足による採用の売り手市場、アルバイト・パートの賃金上昇、そしてフリーランスや個人事業主などの新たな雇用形態の台頭により、若者の働き方やキャリア観が多様化しています」と、現在の労働市場を分析したと、同社担当の松尾氏はいう。

その中で、調査には大きく2つの目的があったという。

「第一に、弊社は就職 転職支援サービスを通じて、多くの企業の若手採用を支援しています。今回の調査結果を企業にお伝えし、人事制度の構築や採用戦略の強化に役立てていただきたいと考え、調査を実施しました。変化する求職者のニーズに対応するためには、企業側にも柔軟なアプローチが求められます。調査結果を通じて、若者と企業の双方にとってwin winの関係が築かれ、社会が持続的に発展することに貢献したいと考えました」(松尾氏)

さらに2つ目の目的として、以下を挙げる。

「前述した若者の働き方やキャリア観の多様化が進む中で、改めて働く意義や、働き続けたい年齢を問いその結果を公表することで、自己の目標やキャリアプランを見つめ直す機会を提供し、個々人の内省を通じた成長に貢献したいと考えました」(松尾氏)

求職者と関わる中で感じる自己成長欲の高まり

求職者と関わる中で感じる自己成長欲の高まり

本調査では、働く意義や目的の1位は『お金を稼ぐため』、2位は『自分を成長させるため』、3位は同率で『社会や人とのつながりをもつため』と『好きなことに取り組むため』となった。

就職 転職支援サービスを提供する同社は、今回対象にした20 代の求職者と直接関わる機会が多いだろう。では、そうした直接の関わりの中で、働く意義や目的について、20 代の求職者からはどのような声が多く聞かれるのだろうか。また、今回の調査結果との差はあるのだろうか。

「実際に求職者から届く声には、『自分を成長させたい』『スキルを身に着けたい』というものが多い傾向にあります。さらに若手層でいうと、『会社は自分のキャリアを守ってくれる存在ではない』という感覚も強まっています。結果的に以前よりも、安定=成長=市場価値という感覚が強くなり、良くいえば『成長意欲』、悪くいえば『成長への焦り』を強く感じるようになっています。

これらの点から、今回の調査結果は実際の声と顕著な差異は見受けられません。求職者の持つキャリア観は長期的なものであり、彼らが自己投資を通じて将来に向けた準備を進めたいということを示唆していると考えています」(松尾氏)

調査結果を受けてバックオフィス担当者ができること

成長意欲の高まりを見せる若手求職者が描く理想、それに対して企業として何が提供できるかを打ち出していくことで、入社後の早期離職を防ぐことができるだろう。また、変化する若手の価値観に応じた柔軟なリーダーシップが求められる管理職に向けたリスキリングも重要となる。

同社では調査結果を受け、「若手採用支援領域においては、本人が望む成長やキャリア観をより深く理解することで、ミスマッチのない採用を実現するサービスへと進化させていきます。求職者の職業的満足度を高めつつ、企業の採用戦略を強化する支援を行いたいと考えております。また社員教育領域では調査結果を踏まえ、若手層への研修サービスのカリキュラムに、彼らが理想とするキャリアパスや成長を叶えるための要素を反映し、より有意義な研修を提供したいと考えております。一方で管理職層向けの研修では、今回の結果を基に若手人材の定着を支える方法やアプローチを提供します」(松尾氏)とした。