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シニア世代、就業意向高まるも、求人は減少傾向に

2023.09.13
オフィスのミカタ編集部

Indeed Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:大八木紘之、以下:同社)は、9月18日の「敬老の日」を前に60~89歳の男女30198名を対象に「シニア世代の求職活動実態調査」を実施した。

高まるシニア世代の就業意向

Indeed上で「60歳/60代」「70歳/70代」に関連するキーワードを用いた仕事検索割合の推移によると、「60歳/60代」の仕事検索数は5年間で4.0倍、「70歳/70代」の仕事検索数は5年間で14.7倍に増加しており、シニア世代の就業意向が高まっているという。

また求職活動を行う最大の理由として、「経済的な理由で収入を得る必要があるから(48.5%)」「健康を維持/促進したいから(17.3%)」「やりがい/生きがいを感じたいから(15.1%)」の順で多い。経済産業省の資料でも、「何歳くらいまで働きたいか」の問いに対して8割程度が70歳以降まで働きたいと回答しており生涯現役で働きたいシニア層の増加がみてとれる(※1)。

※1出典元:2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について(経済産業省)

高齢就業者の実態

労働力調査の資料によると、各産業の就業者に占める高齢就業者の割合は「農業、林業(53.3%)」「不動産業、物品賃貸業(26.8%)」「サービス業他に分類されないもの(22.8%)」の順で多い(※2)。

60歳以降に求職活動を行った人のうち、採用に至ったと思う理由について同社の調査結果によると「希望の待遇にこだわりすぎず、妥協できる範囲を広げたこと(32.2%)」「希望の仕事内容にこだわりすぎず、選択肢を広げたこと(30.0%)」「自身の強みや専門知識、経験を理解し、うまく伝えることができたこと(25.9%)」が上位にあげられている。条件を広げることや自身をアピールする力がシニア層の採用では必要となりそうだ。

しかし、60代以上の積極募集している求人割合の推移を見ると2020年8月を機に減少している。現状に対してIndeed Hiring Labエコノミストの青木雄介氏は「時期的には、第一次緊急事態宣言と第二次緊急事態宣言の間に位置し、パンデミックがだんだん深刻に感じられるようになってきた頃です。そういった状況を背景に、コロナ禍によるリモートワークへのシフトが急激に進み、労働者のITスキルや自主性が一層求められる中、採用企業は、高年齢層の人材に一様にITスキルがあるか・高年齢層の経験の活用が円滑に進むか等を不安視し、ある特定の層を積極募集するよりも、求職者個々人のポテンシャルやスキルにより向き合うことを優先するようになった可能性などが考えられます」と述べている。

※2出典元:高齢者の就業(総務省統計局)

調査概要

・調査主体:Indeed Japan株式会社
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2023年8月10日(木)~8月15日(火)
・調査対象:60代~80代の男女30198名

まとめ

シニア層の求職者は増加しているが、求人数は減少している傾向にあった。年齢や健康、スキル面で不安に感じ消極的な企業もあるだろう。不安払拭のため、試用期間を設けることや人員配置を工夫するなどこれを機にシニア層の採用について考える機会にしたい。