出産を機にキャリアを諦めた女性の割合は男性の約2倍【子育てと仕事の両立の実態調査】
子育て支援サービスを運営するBABY JOB株式会社は、12月22日に登録されていた働く女性の日に合わせて、子育てしながら働く男女1486名(女性1291名、男性195名)を対象にアンケート調査を行った。同社は今回のアンケートで収集したリアルな声を政府などの関係機関に提出することで、より質の高い子育て支援政策の構築に寄与するとしている。
「子どもが生まれて働くことの意識が変わった」約9割
同社の調査によれば「子どもが生まれて働くことの意識が変わった」と回答した人は女性1146名(88.8%)、男性175名(89.7%)と9割近い結果となっている。
また、子育てをしながら働く女性1291名に具体的な働き方の変化について尋ねた結果「できる限り残業をしなくなった(49.9%)」「時短勤務に変更した(49.0%)」「仕事の効率を重視するようになった(40.4%)」と、短い時間の中で生産性を高めることを意識している人が多くいることを明らかにしている。
出産を機にキャリアを諦めた女性の割合は男性のおよそ2倍
子どもが生まれてからの変化として「キャリアアップを諦めた、もしくは目指さなくなった」人は男性が11.8%であるのに対し、女性は19.4%となっている。出産を機に、女性は男性の約2倍の割合でキャリアを諦めているようだ。
働きやすい環境整備の実態
多くの女性が働く時間を短くしながら効率を高めるなど柔軟な働き方を求める中で、企業はこれに応える環境を整えていく必要が示唆されることを受け、同社は職場での支援や理解への満足度を調査。「とても満足している」「満足している」と回答したのは64.2%であり、まだまだ満足度が高いとは言えない結果となった。
さらに同社は、子育てをしながら働く保護者でも柔軟に働きやすくなる「テレワーク制度」と「フレックスタイム勤務制度」についての導入率も調査した。その結果、自身の職場にテレワーク制度が導入されている人は33.8%、フレックスタイム制度は26.5%となった。また、テレワーク制度が導入されていない企業で働く女性のうち「環境を整えてほしい」とする人は50.2%となっている。
国の子育て支援に対する満足度は1割、子育てと仕事を両立する上で求めることは?
妊娠中や子どもが小さい時期における国の支援については「とても満足している」「満足している」と回答したのは14.8%と、非常に低い結果となっている。現在、国が進めている異次元の少子化対策に対しても「とても期待している」「期待している」と回答した人はわずか23.4%に留まった。同社には、長期的な支援を希望する声や家計圧迫を危惧する声が寄せられていたようだ。
一方で、子育てをしながら働く女性1291名に「仕事と育児の両立をするにあたって、どのような支援があると嬉しいですか?」と質問したところ「経済的負担の軽減について」「身体的負担の軽減について」「職場環境の改善について」の3点に関する意見が多く挙げられたことを明らかにしている。時短勤務やフレックスタイム制などに対する支援や給与面での補助、休暇制度などが企業側の課題としてあがりそうだ。
調査概要
アンケート対象:子育てをしながら働く全国の女性1291名(20代~40代)、男性195名(20代~50代)
アンケート実施期間:2023年11月15日~2023年12月8日
調査方法:アンケートフォーム
まとめ
子どもが生まれることでキャリアを諦める女性の割合が男性の約2倍となっていることからも、女性の活躍を推進する上で育児への支援が必要不可欠であると言えるだろう。厚生労働省では女性の活躍推進や両立支援に積極的に取り組む企業の事例を多数紹介している。企業規模や業種などから検索もできるため、自社での取り組みの参考にしてみてはいかがだろうか。
参考:厚生労働省 女性活躍・両立支援に積極的に取り組む企業の事例集














