企業の防災訓練「目的を明確に設定」約3割 テレネット調査
2011年の東日本大震災発生から15年が経過した今年、テレネット株式会社(所在地:長野県飯田市、代表取締役:青山貴子)は、企業・団体・自治体で防災対策を担当している方を対象に「企業・団体・自治体の防災訓練の実効性と情報共有」に関する調査を実施した。
調査概要
「企業・団体・自治体の防災訓練の実効性と情報共有」に関する調査
調査元:テレネット株式会社
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年3月5日~2026年3月7日
調査人数:1025人
調査対象:調査回答時に企業・団体・自治体で防災対策を担当していると回答したモニター
調査パートナー:株式会社PRIZMA
モニター提供元:サクリサ
出典元:「携帯メール・SNS頼みで大丈夫か?」 3.11以降の防災訓練を調査:約3割が通信輻輳(回線混雑)の想定訓練を未実施(テレネット株式会社)
防災訓練は「基礎的な内容」に集中
本調査ではまずはじめに、防災訓練の頻度について質問。「年1回(51.3%)」「年2回(29.8%)」との回答が約8割を占めた。また、過去1年間で実施した防災訓練の種類」については「避難誘導訓練(68.0%)」「安否確認訓練(59.3%)」「初期消火(50.7%)」などが上位に。初動における「基礎的な防災訓練」を実施する企業が多いようだ。
次に、職場の防災計画に「大規模な自然災害(南海トラフ地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震など)」を具体的に想定した対策がどの程度盛り込まれているかを質問。約8割が「充分に盛り込まれている(22.9%)」「ある程度盛り込まれている(57.3%)」と回答した。
一方で、防災訓練の目的について「明確に設定されている(31.7%)」との回答は約3割にとどまった。防災訓練に参加する部署や参加者の役割についても「明確に設定されている(34.5%)」は4割に届かなかった。また、防災訓練後の振り返りや改善点の整理と、次の防災訓練への反映については「実施しているが、反映はできていない(34.0%)」が3割を超えた。
防災訓練・災害発生時の課題「ソフト面に集中」
防災訓練中に発生した課題についてたずねる項目では「判断や指示出し(38.2%)」「情報伝達(37.3%)」「部署間の連携(34.8%)」という結果に。ソフト面に関連する課題が多く挙げられている。さらに、現在の防災訓練に不足していると感じることとしては「参加者の意識・当事者性(36.8%)」「リアルな訓練シナリオ(36.1%)」「情報伝達フロー(24.7%)」との回答が上位に。防災訓練が「形骸化している」ことがうかがえる。
また、災害発生時における組織内の情報共有体制については「伝達ルールの曖昧さ(37.5%)」「情報判断の基準不足(30.7%)」「通信手段の確保(28.6%)」といった課題が挙げられた。なお、防災訓練で活用したことがある連絡手段は「携帯メール(38.5%)」「SNS(LINE、Xなど)(31.9%)」「アナログ無線(22.7%)」が上位に並んだ。職場の防災訓練における情報伝達の速度・正確性の満足度について、約7割が「非常に満足(15.0%)」「やや満足(55.9%)」と回答している。
同社はこの結果について、大規模災害時に通信制限や輻輳(回線混雑)等で使用できなくなるリスクが高い連絡手段が主流となっていることから、「代替手段の確保に検討の余地がある」と指摘している。
まとめ
死者・行方不明者1万5000人以上という、未曾有の被害をもたらした東日本大震災から15年。改めて復興や防災に意識を向けた人も、多いのではないだろうか。職場での防災・減災に関する取り組みについても、見直しや改善を行なっていきたいものだ。
本調査結果からは、有事の際の情報共有体制に関する課題感や、防災訓練の形骸化への懸念がうかがえる。年に1〜2回の防災訓練に対して費やせる時間はそう多くなく、形式的な実施になりがちだ。さらに「想定外」を想像することは難しく、本調査においても防災訓練に対して「リアルな訓練シナリオ」が不足していると感じている人は3割を超えた。
調査結果からも、数多の災害の事例からも、防災訓練実施後に振り返りや改善点を整理し、訓練の中で感じた疑問や課題を次回の訓練やマニュアルに反映することが重要だ。訓練は「あくまでも手段」ととらえて、組織全体の「防災力強化」につなげることを目的にしたい。











