「新しい営業職」求人数は3年で2.62倍に増加 転職者は3年で3.29倍
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村吉弘)は、「新しい営業職(インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス)」に関する求人と転職の動向についてまとめた。
調査概要
調査方法:『リクルートエージェント』求人データの分析
調査対象:『リクルートエージェント』求人データ
有効回答数:非公開
調査実施期間:2023年9月~2023年11月
調査機関:リクルート
「新しい営業職」の求人動向
同社の調査によれば「新しい営業職」の求人は2019年度と比較して2.62倍に増加している。多様化する営業の役割を再定義することによって新たな求人が生まれており、カスタマーサクセスは2019年度比較3.58倍、インサイドセールスは1.71倍に増加した。
『リクルートエージェント』における営業職の転職者推移を見ても、「新しい営業職」への転職者が増加傾向にあることが分かる。2019年度を1とすると2022年度の転職者数は3.29倍となっており、営業職全体の転職者数(1.36倍)と比較すると大きく伸長していることが見て取れる。 特に、2020年以降の伸びが顕著に表れており、求人の増加と連動する形で転職者も増加している。
「新しい営業職」の求人増加時期や背景
顧客の価値観変化をきっかけとして生まれた「新しい営業職(インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス)」だが、求人増加の時期や細かな背景にはそれぞれ以下のような違いがある。
■インサイドセールス
2019年頃に急激に増加。同時期にSaaS系サービスを中心とするサブスクリプション型サービスが増え始めたことで、製品やサービスの導入提案を行うインサイドセールス求人が増加。
■フィールドセールス
2019年頃から求人が出始め、2021年頃から求人が徐々に増加。インサイドセールスなどの取り組みにより商談機会が増加し、交渉や契約のクロージングを専任で行うフィールドセールス求人が増加。
■カスタマーサクセス
2021年頃に急激に増加。2019年頃から増え始めたSaaS系サービスを中心とするサブスクリプション型サービスの利用継続率維持、追加提案のための顧客フォローニーズが高まり、受注後のサポートを担うカスタマーサクセス求人が増加。
まとめ
同社HR統括編集長の藤井薫氏は「新しい営業職」増加の背景にあるのはカスタマー・トランスフォーメーション(顧客の価値観変化)であるとし「顧客の価値観変化から始まった営業職の変化は、個人にとっても活躍する機会が広がるきっかけとなりつつあり、営業未経験者にとってもチャンスが広がっていると言えるでしょう。企業側もこれまでとは違った多様な個を受け入れることによって、顧客のさまざまな変化に対応する営業組織にアップデートし続けることが求められるのではないでしょうか」とまとめた。人事担当者は採用活動に取り組んでいく上で、こうした変化に対して自社にどのような人材が必要か、改めて考えていく必要があるだろう。本調査結果では営業職の転職・採用動向などについても示されている。参考にしていただきたい。
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