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2024年1月の動向 国内景気4カ月ぶりに「悪化」今後は賃上げ継続が焦点となり横ばいで推移か

2024.02.06

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は2024年1月18日から1月31日までの景気動向調査を行い、その結果を公表した。ここでは規模別の景気動向に絞って紹介する。

2024年1月の景気DI、前月比0.7ポイント減の44.2 改善傾向がストップ

2024年1月の景気DI、前月比0.7ポイント減の44.2 改善傾向がストップ

TDBの発表によれば、2024年1月の景気DIは前月比0.7ポイント減の44.2となり、4カ月ぶりに悪化。国内景気は、能登半島地震の影響ほか、暖冬による季節商品の不振や自動車メーカーの不正問題などがマイナス要因となり、改善傾向がストップした。

1月は、令和6年能登半島地震により北陸地方を中心に工場などの操業停止や消費マインドの低下といった悪影響が表れた。TDBは、暖冬による冬物商品の売り上げ不振や大手自動車メーカーの不正問題なども下押し要因となったとみている。加えて、旅館やホテルなどではオフシーズンを迎え需要の落ち着きがみられた。他方、都市開発や半導体関連の設備需要などは景気を下支えしたほか、日経平均株価など金融市場の安定も好材料だったという。

今後についてTDBは、インバウンド需要ほか、GXなどの設備投資拡大が見込まれるなかで、持続的な賃上げによる個人消費の行方がカギとなるとコメント。価格転嫁の進展などによる企業の業績改善、経済対策の実施、生成AIの発展などがプラス材料となるほか、能登半島地震への復旧・復興需要は押し上げ要因となると予測している。他方、人手不足や職人不足、2024年問題など構造的な問題に加えて、物価や金利の動向などの影響、さらに、自動車の不正問題や海外経済の動向も見守る必要があるとした。

TDBはこれらの要因から、今後の国内景気は賃上げの継続が焦点となり、横ばい傾向で推移すると予測している。

全規模が4カ月ぶりにそろって悪化、個人消費の落ち込み目立つ

全規模が4カ月ぶりにそろって悪化、個人消費の落ち込み目立つ

規模別で見ると「大企業」「中小企業」「小規模企業」が4カ月ぶりにそろって悪化。『サービス』『小売』など個人消費が落ち込んだ一方で、全規模で『建設』『不動産』が好転している。

■「大企業」(47.9):前月比0.2ポイント減。2カ月連続で悪化
飲食店や旅館、総合スーパーなどが大幅に悪化し『サービス』『小売』など6業界が落ち込んだ。他方、貸会議室の稼働が高まる『不動産』や、年度末に向け業務確保が進む『建設』など3業界で改善した。

■「中小企業」(43.6):同0.7ポイント減。4カ月ぶりに悪化
ダイハツ工業の問題などから自動車関連が大きく落ち込む『製造』が悪化した。また、燃料費の高止まりなどで運輸関連も下落。他方、「大企業」と同 様に『建設』『不動産』は改善した。

■「小規模企業」(42.6):同0.7ポイント減。2カ月ぶりに悪化
「故障しても買替ではなく、修理を希望」というように家電などで買い控えが目立つ『小売』が2カ月ぶりに悪化した。他方、貸店舗の賑わいや再開発事業が後押しし『不動産』は5カ月ぶりに改善した。

調査概要

調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年1月18日~1月31日
調査対象:2万7308社
有効回答企業:1万1431社、回答率41.9%
調査機関:株式会社帝国データバンク

まとめ

2024年1月の景気動向調査では4カ月ぶりに全規模でそろって悪化。個人消費が落ち込む一方で「建設」「不動産」は全規模で好転した。TDBは今後の国内景気は横ばいで推移するとみており、2024年問題など構造的な悪材料を抱えるなか、賃上げの継続が焦点となると予測した。