掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

「確定申告に関する意識調査」確定申告のデジタル化は進むも約3割は紙による申告を選択|弥生株式会社

2024.02.14

弥生株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:前山貴弘)は、令和5年分の確定申告に関する意識について、全国の個人事業主を対象に実態を調査した。

提出は「e-Taxによる申告」36.3%

提出は「e-Taxによる申告」36.3%

本調査によると、令和5年分の確定申告の提出方法予定については「e-Taxによる提出」が36.3%で最多となっている。一方「紙による提出」も根強い需要があり「税務署に持参して提出」が24.9%「税務署に郵送して提出」が9.2%と続いている。全体におけるe-Taxの利用意向については40.6%に上り、コロナ禍によってe-Tax利用意向が大幅に伸長した令和3年調査以降、概ね同程度の高止まり傾向となっている。

提出方法は固定化の傾向「両年ともe-Taxで提出する予定」94.4%

提出方法は固定化の傾向「両年ともe-Taxで提出する予定」94.4%

本調査では提出方法について、前年と同じ提出方法を今年も予定している事業者が多くを占めたことも明らかにしている。令和4年分の確定申告提出方法と令和5年分の提出方法の予定について「両年ともe-Taxで提出する予定」と回答した人は94.4%「両年とも紙で提出する(※)」と回答した人は89.9%となり、提出方法は個人ごとに固定化する傾向が見られた。

さらに「確定申告における課題」の設問において「特に課題はない」と答えた事業者が、令和4年分確定申告を紙で提出した人(※)の中では39.7%、e-Taxによる電子申告を行った人の中では43.2%でそれぞれ最多の回答となっている。同社はこの結果を受けて、多くの事業者が現状の提出方法に満足している、または大きな課題を抱えていないことから前年と同じ提出方法を選択しているものと推察した。

※ 確定申告の提出方法について「税務署へ持参して提出」「税務署へ郵送して提出」を選択した事業者

課題は「作業時間の確保」が最多

課題は「作業時間の確保」が最多

続いて本調査では確定申告の具体的な課題を調査。最も多かったのは「作業時間の確保(19.2%)」で、以降は「申告書の作成(18.0%)」「e-Taxの操作方法(15.5%)」「帳票の作成、整理(14.5%)」が続いている。

同社は本項目で、確定申告の提出方法によって課題が異なる傾向に注目した。令和4年分確定申告を紙で提出した事業者の課題は1位「申告書の作成(24.5%)」2位「作業時間の確保(23.5%)」となったのに対し、e-Taxによる提出を選択した事業者では1位「e-Taxの操作方法(30.6%)」2位「作業時間の確保(19.1%)」となっている。なおe-Tax利用者は「申告書の作成」に対する課題が、紙で提出する事業者に比べ10.1pt低い14.2%となった。

16%がe-Tax利用により3時間以上の時間節約効果を実感

16%がe-Tax利用により3時間以上の時間節約効果を実感

本調査結果を見ると「e-Taxの利用が時間節約になった」と回答した事業者は65.1%となり、中でも「3時間以上の短縮になった」と回答した事業者は16.0%に上っている。

さらに同社は、令和4年分の確定申告をe-Taxで行った事業者は、確定申告の課題として「申告書の作成」を挙げる割合が14.2%と、紙で提出した事業者の回答よりも10.1pt低い結果となったことを報告。「作業時間の確保」についても同様に、課題に感じる割合が紙での提出よりも4.4pt低い結果を示しており、e-Taxの利用は、確定申告業務における負担軽減に役立つものと推察した。

e-Tax対応へのハードルを感じる事業者も

e-Tax対応へのハードルを感じる事業者も

同社はさらに、令和4年分確定申告は行わなかった事業者の、令和5年分確定申告の提出方法を調査。1位は「e-Taxでの提出(41.1%)」2位「紙による提出(26.0%)」となっている。また、令和4年度の申告を紙で行った事業者のうち、5.2%が令和5年分をe-Taxで提出する意向を示した。同社はこの結果を受けて、e-Taxの利用意向は高止まり傾向であるものの、今後もe-Taxを選択する人は増えると予想している。

一方、e-Taxを利用しない理由については、1位「紙での提出が慣れている(48.8%)」に続き「e-Taxが難しそうだから(20.8%)」「e-Taxでの申告のやり方がわからないから(14.4%)」が挙げられている。同社によれば「ICカードリーダーを買いたくない(13.0%)」という、制度への誤解がハードルとなっている例も見受けられたという。

調査概要

調査期間:2024年1月19日~1月22日
調査対象:個人事業主または副業の収入について2023年分の確定申告を予定している方
回答者数:1000名
出典:「確定申告に関する意識調査2024」弥生調べ

まとめ

調査結果では6割以上が「e-Taxの利用が時間節約になった」と回答しており、効率化という点ではe-Taxの活用は効果的と考えられる。一方で紙での提出に慣れていることを理由にe-Taxを利用しない選択をしている人も5割近くに及んでいる。

同社は本調査結果について「紙による提出に課題を感じていない事業者も一定数いると見られ、e-Taxの全面的な普及には利便性のさらなる向上や、正しい理解の浸透が鍵となりそうです」との総括を述べた。2月16日より令和5年分確定申告の受付がスタートする。申告書の作成を効率化したいのであれば、e-Taxの活用を検討してみてはいかがだろうか。

参考:国税庁令和5年分確定申告特集