転職率は高水準で推移 転職後の年収額は男性40代で最も増加「転職動向調査2024年版(2023年実績)」マイナビ
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、20~59歳の正社員を対象に実施した「転職動向調査2024年版(2023年実績)」の結果を発表した。
調査概要
「転職動向調査2024年版(2023年実績)」
調査期間:スクリーニング調査2023年12月13日〜12月15日/本調査12月15日~12月18日
調査方法:インターネット調査
調査対象:20~59歳の正社員の男女
有効回答数:1500件
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合がある
出典元:2023年の転職率は7.5%と依然として高水準が続く 転職して約4割が「年収が上がった」と回答(株式会社マイナビ)
2023年の正社員の転職率は7.5%と高水準 転職理由は?
本調査結果によると、2023年の正社員の転職率は7.5%(前年比0.1pt減)で、調査を開始した2016年から約2倍以上と高水準で推移しており、性年代比率をみると、男性30代(23.3%)が最多となっている。2021年以降、30~50代のミドル世代の男性が転職した比率が高まっており、2023年では、47.6%と約半数がミドル世代の男性だった。
転職理由は前年から引き続き、全体では「給与が低かった」が11.5%で最多。男女別では、男性は「給与が低かった(12.1%)」女性は「職場の人間関係が悪かった(13.7%)」が最も多かった。
転職先を決めた理由では、全体と男女別ともに「給与が良い」が最多となったが、女性は「休日や残業時間が適正範囲内で生活にゆとりができる(13.3%)」「希望の勤務地である(11.2%)」も比較的高い割合となっている。同社はこの結果から、女性は男性と比べ人間関係やプライベートとの両立を考えて転職活動を行う傾向があると推察した。
約4割が転職で年収UP 転職後の年収額はリスキリング有無により差
同社は、転職後の年収についても調査しており、転職後に年収が上がった割合は39.1%(前年比0.4pt減)であることを報告。さらに、最も年収が上がったのは男性40代で、45.4%が転職によって年収が増加したことを明らかにした。女性は男性に比べて年収が上がった割合が低い傾向にあり、同社は転職理由と転職先決定理由でも給与以外の項目が目立った影響があると考察している。
転職後の平均年収額は489.6万円で、転職前の平均年収472.5万円より17.1万円増加したことがわかっている。転職後の差額が大きかった性年代は男性40代(+26.5万円)と男性20代(+26.1万円)。一方差額がもっとも低かった性年代は女性20代(+3.3万円)となった。
続いて、転職後の平均年収額をリスキリング有無別にみると、リスキリング経験がある人は559.3万円、経験がない人は419.5万円で、139.8万円の差があった。男女別にみても、それぞれ100万円以上の大きな差がある。転職前後の年収差をリスキリング有無別にみると、リスキリング経験ありは+25.1万円(男性+25.0万、女性+25.0万)経験なしは+8.1万円(男性+12.1万、女性+0.7万)と差がみられた。
まとめ
本調査結果を受けて、マイナビキャリアリサーチラボ研究員の朝比奈あかり氏は「転職における年齢の壁は消失しつつあることがわかる結果となりました。しかし性別の差は、年収額自体にも転職前後の年収増加額にも表れており、格差がいまだに残る形となっています。男女における業種の差や職種の差、説明できない賃金差について、今後も調査を続けていきます」とコメントしている。
男女間の賃金格差について男女共同参画局は、男性一般労働者の給与水準を100としたときの女性一般労働者の給与水準は1989年は60.2、2021年は75.2となっていることから、長期的には縮小傾向にあると報告。しかしながら、国際比較ではOECD(平均)の88.4に対して日本は77.5と、10pt以上の差があるのが現状だ(※)。
本調査でも、年収額自体も転職前後の年収増加額も男女間には大きな差があることが明らかにされている。一方で、リスキリング経験有無別にみた転職前後の年収増加額では、経験ありの場合男女ともに25万増と、同等の増加額となった。経験なしの場合は男性12.2万増、女性0.7万増と、その差は大きい。この結果から、企業が転職者に求めるポイントとして、リスキリング経験を重視していると考えられるだろう。
※出典元:男女間賃金格差(我が国の現状)(内閣府 男女共同参画局)














