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女性の高ストレス者率32歳と37歳をピークに28歳から40歳で高水準を維持

2024.03.15

株式会社ドクタートラスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役:高橋雅彦)のストレスチェック研究所では、ストレスチェックサービスを利用した累計受検者200万人超のデータを活用し、さまざまな分析を行っている。今回は2022年度にストレスチェックサービスを利用した受検者のうち、高ストレス者(E判定)となった18389人のデータをもとに、女性の年齢別に高ストレス者率分布を分析し、発表した。

高ストレス者とは

高ストレス者とは

ストレスチェック制度は、従業員のメンタル不調の予防やその気付きを促すこと、また、ストレスが高い人の状況把握やケアを通して職場環境改善に取り組むことを目的として制定され、2015年12月以降、従業員数50名以上の事業場で年1回の実施が義務づけられている。

出典元:ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等(厚生労働省)

本調査では、同社が提供するストレスチェックサービスを利用した人の中から、高ストレス者と判定された人のデータをもとに分析を実施した。

<高ストレス者とは>
■ストレスの自覚症状が高い人
■ストレスの自覚症状が一定程度あり、かつ仕事の負担と周囲のサポート状況が著しく悪いと判定された人

女性の高ストレス者率は30代後半が最も高い

女性の高ストレス者率は30代後半が最も高い

同社によると、高ストレス者率が最も高かったのは、2019・20年度が「30代前半」、2021・22年度が「30代後半」となった。一方で、過去4年継続して同比率が最も低かったのは「60~65歳」であることも明らかにした。

同社はこの結果から、高ストレス者率は30代を中心に高くなる傾向があり、2023年度も同様の傾向がみられる可能性があると予測した。

さらに年齢でみると、女性で高ストレス者率が最も高いのは「37歳(16.92%)」で「32歳(16.91%)」「38歳(16.75%)」「30歳(16.55%)」「31歳(16.41%)」と続いている。同比率が低いのは「65歳(5.55%)」「64歳(7.71%)」「63歳(8.74%)」「62歳(8.77%)」「61歳(9.86%)」となった。58歳以降では、年齢を重ねるごとに高ストレス者率が低下しているという。また、28歳から40歳までは高ストレス者率が15%を継続して超えていることが報告された。

調査対象

調査期間:2022年4月1日~2023年3月31日
調査対象:ドクタートラスト・ストレスチェック実施サービス2022年度契約企業・団体の一部
有効受検者数:13万1912人
出典元:女性の年齢別に高ストレス者率の分布を算出しました(株式会社ドクタートラスト)

まとめ

女性の高ストレス者率は28歳から40歳にかけて高水準が続き、32歳と37歳でそれぞれピークを迎えることが明らかになった。

同社は、「令和4年(2022)人口動態統計」(厚生労働省)で、女性の平均初婚年齢は29.7歳となっていること、出産時の母の平均年齢は、第1子が30.9歳、第2子が32.8歳であったことなどから 「晩婚化・晩産化が進んでいる現状において、30~32歳にかけて高ストレス者率が高い背景には、婚期の不安や出産時期などが影響しているかもしれません。また、37歳前後は第1子が就学する時期もあり、ワークライフバランスが崩れやすいことが考えられます」との推察を示した。

加えて「令和4年度雇用均等基本調査」(厚生労働省)で、女性の管理職は年々増加傾向にあることに触れ、企業としても女性の管理職登用に向けて教育に力をいれていることを背景に、37歳前後が特にストレスを感じやすい年齢である可能性を指摘した。

女性の30代は仕事と家庭の両立、キャリアアップなど、 ストレスの要因となるものが多い年代と考えられる。企業としてどのようなサポートができるか、改めて検討する機会としていただきたい。

出典元:令和4年(2022)人口動態統計(確定数)の概況
出典元:令和4年度雇用均等基本調査(厚生労働省)