2024年度新入社員の傾向を分析 68.3%が「他者との距離感に戸惑いを感じない」
人材育成データ・機械学習技術等を活用し、社会人向け教育サービスの提供を行うアルー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:落合文四郎)は、2008年より新入社員の傾向についてのレポートを発行している。このたび、2024年度新入社員の傾向についてのレポートを発行した。本レポートは、同社が実施する研修現場での新入社員の行動や態度に関するデータを収集・分析したもので、新入社員の特徴と、Z世代と言われる社員たちと働くヒントをまとめた。
調査概要
データ収集期間:2024年3月~4月
データ収集方法:アンケート
回答者:同社実施の新入社員研修プログラムに関わった講師・コンサルタント
回答数:139
質問内容:新入社員の傾向や様子
出典元:2024年度新入社員レポートZ世代と働くヒント~導入研修から見えた特徴と響くメッセージ~(アルー株式会社)
新入社員のポジティブな傾向とネガティブな傾向
同社によると、ポジティブな傾向には例年同様に「必要だと理解した事柄を取り入れる柔軟さ」「同世代との高い関係構築スキル」が多くみられるという。また、今年新たにみられた傾向として「多様性を受け入れることに抵抗を感じない」が挙げられた。
ネガティブな傾向には、昨年にもみられたという「周囲からどう見られるか、どういう行動が適切かを知らない」「手の届く情報や居心地のよいつながりで満足をしてしまう」が挙げられている。加えて今年は「チャレンジより、リスク回避を優先する」という傾向もみられたという。
カテゴリー別傾向で世代ごとの傾向を比較調査
同社は今年度の新入社員の傾向に加え、今年度の新入社員を除くZ世代(2019年度以降に社会人になった世代と定義)と、Z世代以前でカテゴリー別の比較調査を実施。
「他者との距離感に戸惑う様子は見られなかった」点で、Z世代以前の36.4%から68.3%と倍増しており、カテゴリー別の傾向として顕著な違いが見られたことを明らかにした。この結果から同社は、2024年度の新入社員は「集団行動における関係構築スキル」が高い傾向にあるとの見解を示している。
そのほか「時間は厳守できていた」「周囲からの見え方を踏まえ、適切な行動がとれている」では大きく数値が低下しており、社会人としてのモラルに関しては評価が下がっていることも明らかになった。
まとめ
本レポートによれば、今年の新入社員は多様性を受け入れることに抵抗を感じず、集団行動における関係構築に優れている傾向があるようだ。一方で、失敗を恐れてチャレンジを避ける傾向や、社会人としてのマナーに疎い様子も多くみられている。
新入社員の育成において、世代ごとに異なる価値観や傾向を理解することは、その効果をより高めてくれるだろう。ポジティブな傾向はさらに伸ばしつつ、ネガティブな傾向については適切なフォローや重点的な教育が行えるよう意識してみてはいかがだろうか。














