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2024年4月度 派遣社員の平均時給は過去10年間で2位の高水準となる1694円に

2024.05.16

エン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する派遣のお仕事探しサイト『エン派遣』では、サイトに掲載されたすべての職種(※)の求人情報をエリア別(※)に集計し、募集時の平均時給分析を行なっており、2024年4月度の集計結果が発表された。ここでは概要をお伝えする。

※『エン派遣』上で分類されている職種、エリア

三大都市圏平均時給 20カ月連続で前年同月比超え

三大都市圏平均時給 20カ月連続で前年同月比超え

同社の発表によると、2024年4月度の三大都市圏平均時給は1694円(前月比-2円・0.1%減、前年同月比+41円・2.5%増)で、過去10年間で2位の高水準となった。20カ月連続で前年同月比を上回ったことになる。

職種別では、オフィスワーク・事務系は1647円(前年同月比+54円)で過去最高額を更新。4月開始の求人には未経験者向けのものも多く、2、3月は時給1500円台の割合が高くなっていたというが、同社はこれらの採用が充足した影響で、時給帯が底上げされる結果になったとの分析結果を報告している。

時給2584円のIT・エンジニア系も、前年同月比+65円と大幅に上昇。同社によると、2024年問題の対策に向け、物流・医療・建設業界を中心にDX化を取り入れる動きがあり、システム開発・企画ポジションの需要が高まったという。

同社は、時給上昇を後押しする要因の一つに、雇用形態をこえた採用難度の上昇があげられると指摘。オフィス系、IT系を中心に、正社員採用に苦戦し、人手不足を補うために派遣スタッフにお仕事を任せるというケースも多数あるという。「本来正社員が担うはずであった「業務範囲の広い求人」は時給も高く設定されるため、平均時給の引き上げに繋がっています」とコメントした。また同社は、採用にかけられるコストが大手と比べて少ない中堅・中小企業を中心に、こういった派遣スタッフの募集は今後も増加するとの見解を示しており、時給の上昇は続く見通しだという。

まとめ

派遣社員の平均時給は20カ月連続で前年同月比を超えていることがわかった。時給が上がり続ける背景には、採用難度の上昇があると同社はみている。

帝国データバンクの調査によると、正社員の不足を感じている企業は約半数に及ぶという。非正社員でも約3割が人手不足を感じており、雇用形態を問わず人手不足の企業は多いようだ。

東京商工リサーチの発表では2024年1〜4月の「人手不足」関連倒産は急増し、前年同期の4倍になったことがわかっている。調査を開始した2013年以降で最多記録を更新したといい、人手不足の深刻化が進んでいることがうかがえる。

こうした背景からも、同社の見解の通り今後も派遣社員の募集は増加し、時給の上昇も続いていくだろう。

出典元:人手不足に対する企業の動向調査(2024年4月)(帝国データバンク)
出典元:「人手不足」関連倒産が急増 前年同期の2倍に「2024年問題」が直撃の建設業、運輸業で増加(株式会社東京商工リサーチ)