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2023年「熱中症における死傷災害」は増加傾向|約4割が建設業・製造業で発生

2024.06.03

厚生労働省は、2023年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」を取りまとめて発表。前年比34%増となる1106人の死傷者(死亡・休業4日以上)が発生したことを報告するとともに、5月から実施している「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の再周知を図った。

2023年の職場での熱中症による死傷者は前年比34%増の1106人

2023年の職場での熱中症による死傷者は前年比34%増の1106人

厚生労働省の発表によると、2023年における職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は、前年から279人(34%)増加し1106人となっている。また、全体の約4割が建設業と製造業で発生したことも明らかになった。

そのうち死亡者数は31人(前年比1人・3.3%増)で、特に建設業(12人)や警備業(6人)で多く発生。厚生労働省の調査によれば、死亡災害では多くの事例で暑さ指数「WBGT(※)」を把握せず、熱中症予防のための労働衛生教育を行っていなかったという。また、糖尿病、高血圧症など熱中症の発症に影響を及ぼすおそれのある疾病を有している事例も見られたことが報告されている。

※暑さ指数(WBGT)とは:気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数

STOP!熱中症 クールワークキャンペーン

厚生労働省はこうした実態を受けて、それぞれの作業場で「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を踏まえた対策に取り組むよう、注意を促している。

具体的には「暑さ指数(WBGT)の把握とその値に応じた熱中症予防対策を適切に実施すること」「作業を管理する者及び労働者に対してあらかじめ労働衛生教育を行うこと」「糖尿病、高血圧症など熱中症の発症に影響を及ぼすおそれのある疾病を有する者に対して医師等の意見を踏まえた配慮をおこなうこと」について、重点的な取り組みを求めた。

参考:令和6年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」実施要綱(厚生労働省)

まとめ

厚生労働省の同キャンペーンでは、特に7月に重点取組が必要だと示されている。暑さが本格化する前に「暑さ指数の把握」「従業員への周知・教育」への取り組みを徹底することが、熱中症による死傷災害防止につながるだろう。また、早期の対応がスムーズにできるよう、緊急時の対応確認と周知も欠かせない。この機会に自社の体制を改めて確認してみてはいかがだろうか。

参考:リーフレット「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」(厚生労働省)