賃上げ実施率は正社員で66%、中小企業の賃上げ事情 エン・ジャパン調べ
エン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する採用支援サービス『engage』上で、従業員数299名以下の企業を対象に「賃上げ」についてアンケートを実施した。調査結果の概要について紹介する。
調査概要
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:『engage』を利用している企業
有効回答数:291社
調査期間:2024年4月23日~5月27日
出典元:中小企業の「賃上げ事情」調査 賃上げ実施率、正社員は66%、アルバイト・パートは51%。 ベアにまつわる悩み、第1位は「同業他社の賃上げによる採用難度の上昇」。(エン・ジャパン株式会社)
中小企業での賃上げの実態と課題
本調査ではまず「2023年4月以降、貴社では賃上げを行ないましたか?」と質問。その結果正社員の賃上げを行なった企業は66%、アルバイト・パートの賃上げを行なった企業は51%であることがわかった。
また「正社員の賃上げを行なった」と回答した企業の月給上昇幅について、最も多いのは「5000円~9999円(37%)」となっている。「アルバイト・パートの賃上げを行なった」と回答した企業の時給上昇幅では「70円以上(35%)」が最多であった。
賃上げ実施の理由としては、正社員では「モチベーション向上(75%)」が第1位、次いで同率39%で「人材の確保・採用」「物価上昇への対応」が続いた。アルバイト・パートでは、上位は「社員のモチベーション向上(56%)」「人材の確保・採用(41%)」「最低賃金を下回っていたため(29%)」となっている。正社員、アルバイト・パートいずれも共通したのは「社員のモチベーション向上」「人材の確保・採用」であった。
本調査は最後に、賃上げに関する悩みや課題を尋ねている。その結果「同業他社の賃上げにより、採用難度が上昇(32%)」「賃上げ対象外の社員のモチベーション低下(29%)」が上位となった。「その他」を選択した企業からは、賃上げの継続や防衛的賃上げに関する悩みの声も挙げられたという。
まとめ
本調査結果からは、雇用形態を問わず「モチベーション向上」「人材確保」が賃上げの主な理由となっていることが明らかになった。悩みの上位にも同様の項目が並んでおり、従業員のモチベーション向上と人材確保は、中小企業の大きな課題となっている様子がうかがえる。
そうした課題に対して賃上げはもちろん有効な取り組みだろう。しかし、中小企業ではその他の悩みにも挙げられたように、防衛的賃上げを実施していたり、継続した賃上げが難しかったり、賃上げ自体にも課題を抱える場合も。無理な賃上げを続ければ業績への影響も懸念されるため、賃上げ以外の取り組みも並行して実施することが重要だろう。
中小企業基盤整備機構が運営するポータルサイト「J-Net21」では、従業員満足度の高い職場の特徴として「企業のビジョン・経営理念への共感度が高い」「人事制度・評価制度に対する信頼感がある」「自身の仕事が与える影響が可視化されている」「人間関係にストレスがない職場環境の整備に努めている」「業務内容に応じた就業規則や福利厚生が整備されている」の5つが挙げられている。モチベーション向上と人材確保のためにも、従業員満足度の高い職場づくりを意識してみてはいかがだろうか。
参考:中小企業が従業員満足度を向上させる方法について教えてください。(J-Net21/独立行政法人 中小企業基盤整備機構)














