生成AI利用は33.8%、利用普及に関する今後の課題 GMOリサーチ&AI調査
GMOインターネットグループで、インターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ&AI株式会社(代表取締役社長:細川慎一)は、保有する国内モニターパネル(※)「JAPAN Cloud Panel」のモニター1105人を対象に、AIトレンドに関する自主調査を実施した。本調査は2023年11月から継続して実施しており、今回が3回目。AIに対する理解を深め、多くの人がAIを活用し、社会の発展に貢献することを目的とした定点調査である。
※パネルとは、アンケート協力の承諾を得ている会員一人ひとりであるモニターの集合体
調査概要
調査テーマ:AIトレンドに関する自主調査
調査地域 :日本国内
回答者数 :1105名
調査対象 :15歳以上の男女
調査期間 :2024年5月20日
調査方法 :オンライン調査
出典元:勤務先での生成AI活用に対して肯定的な人は否定的な人の2倍以上(GMOリサーチ&AI株式会社)
生成AIの認知と利用状況は停滞気味の傾向
本調査では、生成AIの認知と利用状況について「知っている人(非常によく知っている・ある程度知っている・少し知っている)」は72.1%と、今年2月の71.1%と比較して1.0ポイント増加したことがわかっている。昨年11月と今年2月の調査では7.5ポイントの増加がみられており、比較すると今回は増加幅が小さく、停滞気味である傾向にあるようだ。
利用状況についても「使ったことがある人(日常的に使っている・ときどき使っている・ほぼ使わない)」は33.8%で、今年2月の33.5%と比較して0.3ポイントの増加にとどまっている。
なお本調査では、生成AIの利用状況について「日常的に使っている」「ときどき使っている」と回答した人を対象に、定期的に利用している生成AIツールについても質問。「ChatGPT(OpenAI)(61.8%)」「Microsoft Copilot(旧Bingチャット/Microsoft)(19.4%)」「Gemini(旧Bard/Google)(17.0%)」が上位に並んでいる。2024年2月の調査と共通している生成AIツールを比較すると、多くのツールで利用率が減っている中「ChatGPT(OpenAI)」は13.4ポイントの増加がみられた。
生成AIの業務活用は肯定派が約4割
次に本調査では、有職者(パート・アルバイトを除く)に対して、勤務先における生成AIの業務活用についてどのように捉えているか質問。その結果、活用することに対して肯定的な人(積極的に活用を進めるべき・一定の活用は必要だが、慎重に進めるべき)は38.1%、否定的な人(活用には消極的・否定的)は15.9%で、肯定的な人が否定的な人の2倍以上となることがわかった。また「わからない」が46.0%と最も多く、生成AIに対する十分な知識を持っていない人が多いと推察されている。
また、仕事における取引先での生成AIの業務活用については、好感を抱く人(とても好ましい・どちらかといえば好ましい)は32.5%、好ましくないと考える人(どちらかといえば好ましくない・全く好ましくない)は15.7%と、好感を抱く人の方が約2倍と多いものの、AI活用を好ましくないと考える人も一定数存在していることが明らかになった。
まとめ
生成AIに対して肯定的な考えを持つ人の割合は、否定的な人の約2倍となっているが、認知度や利用状況には大きな変化がみられず、勤務先における生成AIに対する捉え方の調査においても「わからない」が最も多い状況であった。同社は本調査結果を受けて 「今後の生成AIの利用と普及には、知識向上と理解促進が重要と考えられます」との考察を示している。
2024年4月に楽天インサイト株式会社が公開したレポート(※)では、AIに対して7割以上が好印象を示しており、仕事に好影響と考える人も7割を超えていることが報告された。一方で、自分の仕事に取り入れることに対して「とても積極的」とする人は8.3%にとどまっている。同社が考察で述べたように、知識向上や理解促進が不足している可能性も考えられるだろう。
自社において生成AIの活用が上手く進められていないのであれば、何が障壁となっているのか、社内での課題を把握してみてはいかがだろうか。
AIに対して良い印象を持っている人は70%以上。理由は「時間短縮になるから」が53.8%でトップ。AIに関する調査(楽天インサイト株式会社)