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退職時のトラブルに関する実態、ヤメハラの事例も ワークポート調査 

2024.06.21

総合型転職エージェントの株式会社ワークポート(本社:東京都品川区・福岡県福岡市、代表取締役会長CEO:田村高広)は全国のビジネスパーソン719人(20代~40代・男女)を対象に「退職時のトラブル」についてアンケート調査を実施。退職時のトラブルなどを理由とした「退職代行」の利用が話題になる中、実際に退職時の対応に悩んだ人はどれぐらいいるのか、具体的にどのような問題で悩んでいるのか、実態を明らかにした。ここでは調査結果の概要についてお伝えする。

調査概要

調査内容:退職時のトラブルに関する実態について
調査機関:同社調査
調査対象:同社を利用している全国のビジネスパーソン(20代~40代・男女)
有効回答:719人
調査期間:2024年5月28日~6月4日
調査方法:インターネット調査
出典元:株式会社ワークポート
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合がある

8割以上が退職経験あり ほとんどがスムーズな退職の一方で

8割以上が退職経験あり ほとんどがスムーズな退職の一方で

本調査ではまず、対象者全員に退職を経験したことはあるか質問。その結果、82.6%が「退職した」と回答し「退職しようとしたができなかった」とする人は3.9%となっている。

次に、退職を経験したとする人にスムーズに退職できたか質問。「かなりそう思う(37.2%)」「ややそう思う(43.9%)」が大半を占め「あまりそう思わない(15.5%)」「まったくそう思わない(3.4%)」は合わせて2割未満にとどまった。

なお同社によれば、同社の転職コンシェルジュ(求職者担当)229名の半数に及ぶ50.2%が、カウンセリング時に退職時のトラブルに関する相談を受けているという。

具体的には、「上司から強い引き止めにあい、退職できない」「直属の上司が頑なに退職願を受け取ろうとしない」など、なかなか退職を受け入れてもらえないという相談が多いことが報告されている。なかには「退職の話をした途端、大量の業務を振られ退職できないようにされた」「過度な引き止めにあい、『裏切り者』『不誠実』など心無い発言を受けた」「退職届をシュレッダーにかけられた」など、いわゆる「ヤメハラ」にあたるような対応を受けた事例もあったようだ。

退職手続きや退職交渉に関する不安「ある」約半数に

退職手続きや退職交渉に関する不安「ある」約半数に

本調査では最後に、対象者全員に今後実際に転職する場合、今の勤務先に対して「退職手続き」や「退職交渉」に関する不安があるか質問。その結果「かなりある(16.3%)」「ややある(31.4%)」と、半数近くが不安を抱いていることが明らかになった。

具体的な懸念点としては「引き止めへの対応や退職時の事務手続き(20代・男性・システムエンジニア)」「退職時期・引き継ぐ人の不足(40代・男性・管理)」など、主に引き止め・退職手続き・スケジュール・引き継ぎなどに不安を感じるとする意見が中心のようだ。また「退職時の嫌がらせ(30代・男性・営業)」「態度が豹変すること(40代・男性・製造)」など、ヤメハラを不安視する声も挙げられたという。

まとめ

本調査結果をみると、これまでの退職は約8割がスムーズだったと回答する一方で、今後の退職について半数近くが不安を示している。退職代行の利用が話題にのぼることが増えたのは、こうした不安を解消できるサービスだからと考えられるだろう。

人材不足は多くの企業で課題となっており、退職者とコミュニティを築き、アルムナイ人材として活用する企業も少なくない。離職防止の取り組みはもちろんだが、円満な退職ができる環境を整備することも、企業の重要な取り組みではないだろうか。