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管理職に就きたいと思わない女性が85.7%、求められる労働環境は? ラグザス調査 

2024.07.03

6月27日、厚生労働省は企業に対し、管理職に占める女性比率の公表を義務化する方針を発表。透明性を高めることにより、女性の活躍を促し、男女の賃金格差解消を図る狙いがあるという。この状況を受けてラグザス株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:福重生次郎)が、女性の管理職に関する実態調査の結果を発表した。本調査は、女性の管理職比率が上がっていない理由を調査し、女性の管理職比率を改善する上で何が必要なのかを明らかにするために実施されたものである。人事担当者はぜひ参考にしていただきたい。

調査概要

調査期間:2024年6月28日~7月1日
調査方法:インターネット調査
調査対象:20~50代 女性
回答者数:3000人
調査機関:インターネットリサーチ会社

「管理職に就きたいと思わない」その理由は「興味がない」が最多

「管理職に就きたいと思わない」その理由は「興味がない」が最多

本調査ではまず、20~50代の女性3000人を対象に「管理職に就きたいと思うか」を確認。その結果、85.7%が「思わない」と回答したことを報告している。年代別に見ると50代が89.1%で最多となり、30代が81.1%と一番少ないという。微増ではあるものの、年代が上がるにつれて意欲が下がっていることがわかる。

さらに「管理職に就きたいと思わない」と回答した人の「管理職に就きたいと思わない理由」としては「管理職に興味がない(36.2%)」「責任を増やしたくない(35.4%)」「精神的なプレッシャーを負いたくない(34.8%)」「ワークライフバランスを重視したい(30.2%)」が上位に挙げられたことも明らかに。

同社はこうした結果について「背景には、職務の専門性を高めるジョブ型雇用を導入する日本企業が増えてきたことにより、重圧の掛かる管理職ではなく、「個」の力を磨きたいと考える人が多くなったことが考えられるでしょう」と解説する。

また「管理職は男性のイメージがある」は5.4%と低いことから、多くの女性は役職において男女の差があるとは考えていないことが判明。責任やプレッシャーなど、性別差以外の要因から管理職を志望していない様子がうかがえる。

女性が管理職になる上で求めていることは?

女性が管理職になる上で求めていることは?

本調査結果によると「管理職になる上で求めること」には「責任を避けたい」「プライベートとの両立」「給与」に関する回答が多く寄せられたという。管理職について「時間も労力もかかるが給与が見合っていないもの」だと捉える女性が多いことが推察される。

一方で「ない」「思いつかない」「なるつもりはない」といった管理職になることを想定していないとされる回答も多くあったという。

さらに「環境が整えば管理職になりたいと思うか」との質問には、76.2%が「思わない」と回答している。同社は、そもそも管理職になることを視野に入れていない可能性や、魅力的なキャリアとなっていない可能性を指摘。「女性の管理職比率を上げるためには、管理職を前向きにとらえる層をどれだけ増やせるかが鍵になると考えられます」との考察を示した。

まとめ

同社は本調査結果を受けて、女性の管理職比率を上げるために2つの方向での改善が必要だと解説する。1つ目に挙げたのは「労働環境の改善」だ。本調査結果から見えた「時間と労力が掛かり責任も重いのに給与が見合っていないもの」という管理職への認識に課題があると指摘した。

2つ目には「管理職そのもののアップデート」を挙げる。管理職に興味を持たない女性が多いことから、同社は「個」のスキルアップを優先したいと考える人が多くなっている可能性を指摘しており、管理職が「本人の望む自己成長」に繋がる役割を担うことで、女性の意向が変わると予測している。

厚生労働省が発表した「令和6年夏策定の主な政府文書について(雇用環境・均等局関係)(※1)」では「女性活躍推進法の開示義務化のフォローアップ」の項目で「義務対象を常用労働者の数が101人以上300人以下の一般事業主へ拡大することについて施行状況を踏まえて検討する」と記されており、今後ますます女性の活躍を促す動きは活発化すると考えられる。

自社での女性管理職比率向上に向けて、本調査結果も参考にしながら改めて取り組みの見直しを行ってみてはいかがだろうか。厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース(※2)」では、推進に取り組む企業の事例も多数掲載されている。ぜひ併せて参考にしていただきたい。

※1 出典元:令和6年夏策定の主な政府文書について(雇用環境・均等局関係)(厚生労働省)
※2 参考:女性の活躍推進企業データベース(厚生労働省)