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年々低下する「仕事に対する幸せ度」2024年は平均55点で80点未満の人が7割超

2024.07.03

派遣事業を手掛ける株式会社オープンアップグループが運営する「幸せな仕事総合研究所」では、働く10~50代の男女4578名を対象に「2024年度 幸せな仕事に関する実態調査」を実施。2022年、2023年に続き、3回目の実態調査で、仕事に対する幸せ度や人手不足への課題感、DXへの評価などを明らかにした。

調査概要

調査方法:インターネット調査
調査時期:2024年5月25日~5月29日
調査機関:Grillリサーチ
調査対象:働く10代から50代の男女 計4578名
Z世代:18~28 歳/ミレニアル世代:29~44 歳/氷河期世代:45~53 歳/バブル世代:54~59 歳
出典元:【2024年度 幸せな仕事に関する実態調査】「仕事に対する幸せ度」は約55点 働く際に「人手不足」を感じている人は全体で約61%(株式会社オープンアップグループ)

「仕事に対する幸せ度」が低下中

「仕事に対する幸せ度」が低下中

本調査では、2022年、2023年に引き続き、最高値 100 点として、現在の「仕事に対する幸せ度」を働く10~50代の男女に質問。その結果「幸せ度 80 点以上の人々」は23.6%で、平均は約55点となったという。

同社は本結果について、これまでの調査結果と比較。「仕事に対する幸せ度」は2022年度と比較して約5ポイント減少、2023年度比で約1ポイント減少という結果になったことを報告。「幸せ度 80 点以上の人々」も0.7%減少(前回:24.3%)したことから「仕事に対する幸せ度」が年々減少していると解説した。

また、回答した「幸せな仕事度」のポジティブな理由としては「労働時間が適切で、残業や休日出勤が少ない(20.1%)」「会社の人間関係が良好、仲が良い(18.0%)」「福利厚生などが整備されている(16.3%)」が上位に並んだという。ただし、Z世代では「福利厚生などが整備されている」という項目が17.5%で最多となり、全体平均の16.3%を若干上回っている。この傾向は昨年度も同様だったことがわかっている。

約6割が実感している「人手不足」改善に必要なのは?

約6割が実感している「人手不足」改善に必要なのは?

同社は、2024年度は各業界にてこれまでの調査時期以上に人材不足の問題が深刻化しているとして、働き手に対する「人手不足に関する実態調査」も実施。

「仕事における人手不足を感じる機会」について「人手不足を感じている」人は全体で60.6%となったことが判明した。さらに「人手不足を感じた瞬間」としては「十分な人員がいないため、作業時間が足りない場面」が最も多く、全体の53.6%に及んだという。

また「人手不足が及ぼす問題を改善するには何が最も必要か(※人材の採用を除く)」という質問には「人材育成、スキルアップの機会創出」が必要との回答が40.3%で最多となったことも報告されている。

続いて同社は、どういったスキルアップの制度を会社・組織に望むか質問。その結果「専門知識や個人に必要なスキルを向上させるためのトレーニング制度」が21.2%で最多となり、全体とZ世代のギャップでは「個別のカウンセリング制度」「経験豊富なメンターとのマッチングによるプログラムの実施」といった回答が目立ったという。

「DXが進んでいる」と感じる人は3割未満

「DXが進んでいる」と感じる人は3割未満

同社は今回の調査で、人手不足解決の一つの糸口になると考えられる「DX」についても調査を実施。所属する会社でのDXについて「DX が進んでいる」と評価したのは全体の27.3%であったことを報告した。Z世代では48.4%が「DXが進んでいる」と回答したことから、若年層が所属する企業・組織の方がDXは進んでいる傾向にあるとの考察が示されている。

また「DXの必要性を感じている」と回答した人(全体の36.8%)に対する「DXが必要だと考える理由」を尋ねる項目では「人手不足の改善のため」が48.6%で最多となっている。特にZ世代では、61.1%とその傾向が顕著だったという。さらに「業務・コミュニケーションの効率化」に向けてDXを推進すべきと考えるZ世代の割合に関しても、その他世代と比較して12.5%高いことが明らかになっている。

まとめ

本調査では、働く人の「仕事に対する幸せ度」は年々低下傾向にあることが明らかになった。本調査結果から、その背景に人手不足の深刻化やDX化の遅れがあることが推察される。DX化をより推進し、スキルアップの機会を今以上に創出していくことが、仕事への幸福度を上げるポイントとなりそうだ。

同社は本調査結果を受けて「Z世代には成長に向けた密なコミュニケーション支援等、手厚い人材育成を支援しつつ、各世代へ耳を傾けながら企業変革していくことが今後の「幸せな仕事」に繋がっていくのではないだろうか」との考察を示している。

回答した仕事への幸せ度についてのポジティブな理由として、全体では「労働時間が適切で、残業や休日出勤が少ない」が最多に挙げられている。まずは従業員のワークライフバランスを見直すことから始めてみるのも良いのでは?今後の施策の参考にしていただきたい。