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非正規雇用者、スポットワークを探したい人が半数超えに マイナビ調査

2024.07.31

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国の企業、個人それぞれを対象に調査を実施。「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2024年5-6月)」を発表した。レポートの概要についてお伝えする。

調査概要

調査期間:
<企業>2024年7月1日~2024年7月10日
<個人>2024年7月1日~2024年7月4日
調査方法:WEBアンケート調査(調査主体:株式会社マイナビ/アンケートモニター提供元:外部調査会社)
調査対象:
<企業>
スクリーニング調査:従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、自社の採用方針を把握している人
本調査対象:上記のうち、自社の非正規雇用労働者の採用方針について把握しており、直近2カ月以内に採用活動を行った又は新規採用を行った人
<個人>
スクリーニング調査:全国の15-69歳の男女(中学生を除く)
本調査:全国の15-69歳の男女(中学生を除く)のうち、直近2カ月以内に非正規雇用の仕事探しをした人
有効回答数:
<企業>スクリーニング調査:15500名 本調査:887名
<個人>スクリーニング調査:16500名 本調査:1576名
出典元:2024年度最低賃金改定に対し、4社に1社が「引き上げるべきではない」。3人に1人がスポットワークの仕事を「探した」と回答。今後スポットワークを探したい人は51.8%。(株式会社マイナビ)

売り手市場が続く中、最低賃金引き上げに難色

売り手市場が続く中、最低賃金引き上げに難色

本レポートによれば、企業の求人ニーズ(24年5-6月に非正規雇用者の採用活動を行った企業の割合)は25.4%(24年3-4月比:0.3pt増、23年5-6月比:1.4pt減)となり、個人の求職ニーズ(24年5-6月に非正規雇用の求職活動を行った個人の割合)は17.2%(24年3-4月比:0.7pt増、23年5-6月比:0.2pt減)を8.2pt上回った、

また、2024年度の最低賃金改定での賃金を引き上げについて「最低賃金の引き上げはせずに、現状の金額を維持するべき(22.4%)」「最低賃金を引き下げるべき(4.5%)」と、4社に1社が最低賃金引き上げに難色を示しているという。

同社は、最低賃金を引き上げるべきではないと回答した企業を業種別に分析。その結果「サービス(35.0%/全体比:8.1pt増)」「小売(30.7%/全体比:3.8pt増)」「飲食・宿泊(27.8%/全体比:0.9pt増)」が上位に。同社はこれらの業種について「引き上げるべきではない」が低い「ソフトウェア・通信」「医療・医療福祉」などの業種に比べて非正規比率が高く、事業運営のために多くの人員を必要とする業種でもあることから、最低賃金引き上げによる人件費の負担が大きいとの考察を示している。

また、2024年度に最低賃金引き上げがあった際の対応策では「正社員の労働時間の短縮」「非正規社員の労働時間の短縮」「売上増に向けた新たな販路の拡大」が24.2%でトップに並んだことも報告された。

求職者の1/3がスポットワークを検討 入社後の企業に求めるのは?

求職者の1/3がスポットワークを検討 入社後の企業に求めるのは?

本レポートでは、24年5-6月に非正規の仕事を探した人のうち34.5%が「スポットワークの仕事を探した」と回答したことも明らかになっている。また、今後スポットワークを探したいと答えた人は51.8%にのぼるという。

パート・アルバイトと比べたスポットワークのメリットについて、求職者側は「単発性」「時間の有効活用性」が、企業側は「時間の融通性」「単発性」が上位となったこともわかった。

続いて本レポートでは、直近3年以内に非正規雇用の仕事を経験した人のうち、入社後研修(入社後おおむね半年以内に行われる新人研修)を「丁寧にしてほしい」と回答した人が73.2%にのぼることが報告されている。

さらに同社は、研修スタイルについて「企業が現在行っている現実」と「個人が望む理想」を項目ごとに比較。企業は「口答指導メイン(48.6%)」「マニュアル指導メイン(27.3%)」と、口答指導が主流であることが判明。一方で、個人が望む理想の研修では「口答指導メイン(36.6%)」「マニュアル指導メイン(38.5%)」と、マニュアル指導が口答指導を上回ったという。また、企業が行う研修では実践スキルを重視しているが、理想の研修では基礎スキル重視を望む声が多いようだ。

まとめ

売り手市場が続き採用難度が高い状況にある中で、人件費の負担増加が懸念される最低賃金引き上げに多くの企業が難色を示した。

求職者側はスポットワークの活用を検討する人が増加しているようだ。企業にとっても局所的な人材不足解消に効果が期待されており、同社はスポットワークは今後さらに普及すると見ているようだ。

人材確保が大きな課題となる今、賃上げは重要な取り組みのひとつと言える。一方で、無理な賃上げを実施すれば事業の継続に影響を及ぼす可能性もある。柔軟な働き方を提案し、求職者の多様なニーズに応える採用を実施していくことも検討すべきだろう。

また、キャリアリサーチラボ研究員の宮本氏は「個々の労働力を高めるための教育の充実も含め、人件費への投資を生産性の向上に繋げる仕組みを考える必要があると思います」とコメントしている。効果的な人的投資を行えるよう、施策や研修について見直す機会としてみてはいかがだろうか。