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大企業の約半数が採用数増の動き 賃上げ実施・検討は9割超 パーソルHD調査

2024.09.02

パーソルホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:和田孝雄)は、大企業の採用動向に関する調査を実施。同調査は、従業員規模500人以上の企業の経営者・役員、および1年以内に人事関連業務に携わる会社員を対象に実施されたもので、採用トレンドに関する実態や傾向をレポートにまとめて公開されている。多くの会社で採用戦略の模索が続く中、大企業の採用動向は? 公表された結果の概要をお伝えする。

調査概要

調査エリア:全国47都道府県
調査対象者:
・25~69歳男女
・経営者・役員、および会社員(管理職/一般社員)のうち1年以内に人事関連業務(人材採用や人材育成)に携わっている人
・勤務先または経営する企業の従業員規模が500人以上の人
サンプル数・割付:n=600
調査期間:2024年5月10日~5月13日
調査手法:調査会社によるインターネット定量調査
出典元:パーソルホールディングス株式会社「大企業の採用実態調査」

採用見込みは増加傾向 キャリア採用・エンジニア採用で人材充足に苦戦か

採用見込みは増加傾向 キャリア採用・エンジニア採用で人材充足に苦戦か

本調査レポートによると、採用見込み数の増減(前年度対比)では、新卒採用・キャリア採用・エンジニア採用で「増やす」と答えた企業が50%を上回る結果に。「減らす」と回答した企業はそれぞれの採用で2.0~4.3%にとどまったという。

採用目標に対する充足状況では、キャリア採用・エンジニア採用で「充足できていない」が「充足できている」を上回ったことが判明している。新卒採用においては、逆に「充足できている(55.8%)」が「充足できていない(44.2%)」を上回った。

9割超が賃上げを実施もしくは検討

9割超が賃上げを実施もしくは検討

本調査レポートを見ると、採用において企業が感じる課題としては「応募数が集まらない」が上位に挙げられている。特にキャリア採用(22.5%)や、エンジニア採用(21.9%)において顕著な傾向のようだ。

そうした中で、ターゲット層を採用するための施策として実施率が最も高かったのは「給与水準の引き上げ」となっている。中でも、エンジニア採用では34.4%が引き上げに取り組んでいると回答したという。

実際に2024年度(2024年4月~2025年3月)に賃上げを実施した企業はおよそ60%で、項目別に見ると「初任給の引き上げ:59.5%」「基本給のベースアップ:57.3%」「定期昇給:58.2%」という結果に。「24年度は実施していないが、それ以前に実施した」を含めると、約80%が賃上げを実施していることが判明している。さらに、今後の実施予定も含めると90%以上が実施または実施を検討しているようだ。

まとめ

同社は現在の日本の労働市場について、かつてないほどの変革期を迎えていると指摘している。優秀な人材を確保するために繰り広げられる採用競争において、大企業であってもどのような人材戦略を策定するかは悩ましいところだろう。

また、中小企業にとっても人材確保は大きな課題。厚生労働省は地域で活躍する中小企業に向けて、「採用と定着の成功事例」をまとめて公開しているので、人事に携わる担当者は合わせて参考にしてみてはいかがだろうか。

参考:「地域で活躍する中小企業の採用と定着 成功事例集」を作成しました(厚生労働省)