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国内景気2カ月連続で改善 大企業は横ばいも中小企業と小規模企業でともに改善傾向|TDB調査

2024.09.05

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2024年8月19日から8月31日までの景気動向調査を行い、その結果を発表した。景気DIは前月比0.5ポイント増の44.3で、2カ月連続の改善となっている。先月に引き続き、規模別の景気動向について解説する。

観光産業や季節的な需要が牽引し2カ月連続の改善

観光産業や季節的な需要が牽引し2カ月連続の改善

TDBの発表によると、2024年8月の景気動向は44.3で、前月と比較して0.5ポイントの増加となっている。TDBは、観光産業や季節的な需要によって全体の景況感が押し上げられたことを要因に挙げる。猛暑によって需要が拡大した飲料や冷菓、喫茶店など飲食関連、熱中症予防グッズ、冷房設備工事などのほか、自然災害に備えた駆け込みの需要も多かったという。

さらに、好調な半導体関連の設備投資に加え、価格転嫁の広がりもプラス材料になったようだ。一方で、工場の稼働停止や人手不足の継続、コスト負担の増加といったマイナス材料もあったことが報告されている。

今後の見通しについてTDBは「海外の状況など不透明な要素もある一方で、IT関連の投資など好材料も多く、底堅く推移していくとみられる」との見解を示した。

大企業で横ばい 中小企業・小規模企業はそろって0.7ポイント増

大企業で横ばい 中小企業・小規模企業はそろって0.7ポイント増

「大企業」(48.2):前月比横ばい
前月比横ばいとなった大企業では、投資関連に改善傾向が表れているという。設備稼動率は2カ月連続で上昇し、設備投資意欲は4カ月ぶりのプラスであった。一方では、住宅金利の先高感が影響し、新築住宅の買い控えがあったようだ。

「中小企業」(43.6):前月比0.7ポイント増
中・小型の設備投資や建設案件への受注機会が増加したことで『製造』に改善が見られた中小企業は、飲食店が大きく上向いたことで、食材の供給元となる『農・林・水産』も3カ月ぶりにプラスに転じている。

「小規模企業」(42.5):前月比0.7ポイント増
3カ月連続での改善となった小規模企業については、団体旅行の復調や運賃改定が進みつつある『運輸・倉庫』では大きく改善が見られ、大企業・中小企業を上回る水準が続いたという。夏のイベント開催も好材料となったようだ。

調査概要

調査期間:2024年8月19日~8月31日(インターネット調査)
調査対象:調査対象2万7247社、有効回答1万1414社、回答率41.9%、調査開始2002年5月
調査機関:株式会社帝国データバンク
出典元:2024年8月の景気動向調査(株式会社帝国データバンク)

まとめ

TDBは今後の景気動向において注目すべきものとして、実質賃金上昇の継続性、市場金利や外国為替レートの動向、米大統領選の行方などを挙げている。海外の状況など不透明な要素があるものの、一方では自動化やロボット技術への投資増加、生成AIの普及や半導体需要の増加など、プラス要因も多いとして、底堅い推移となる見通しと報告された。

インバウンド消費を含む観光産業の回復や、DX推進、グリーンエネルギー政策なども、好材料となることが見込まれている。引き続き動向を注視したい。