「上司との1on1」が仕事への熱意やモチベーションに与える影響は？　ジェイック調査

株式会社ジェイックは、子会社の株式会社Kakedasが会社員を対象に実施した「上司との1on1」に関する実態調査の結果を発表。1on1が仕事への熱意やモチベーションにもたらす影響を明らかにした。

調査概要

調査名称：「上司との1on1」に関する実態調査
調査対象：上司と1on1を実施している会社員
実施機関：株式会社Kakedas（株式会社アスマークに調査を委託）
調査方法：Webアンケート
調査期間：2024年8月2日～8月7日
回答者数：400名
出典元：会社員400名に「上司との1on1」について調査 ～過半数が、上司との1on1で仕事に対するモチベーションが落ちた経験あり～（株式会社ジェイック）

「上司との1on1」の満足度が仕事への熱意やモチベーションに影響

本調査ではまずはじめに、定期的な上司との1on1の満足度と、現在の仕事への熱意について質問。その結果「定期的な1on1：非常に満足」と回答した人のうち67.5％が「仕事：非常に熱意がある」と回答。「定期的な1on1：ある程度は満足」と回答した人の中では、75.4％が「仕事：ある程度は熱意がある」と回答している。一方で「定期的な1on1：あまり満足ではない」と回答した人では、そのうちの45.6％が「仕事：あまり熱意はない」と回答しており「定期的な1on1：まったく満足ではない」と回答した人では55.6％が「仕事：まったく熱意はない」と回答したという。

また、上司との1on1によって仕事に対するモチベーションが落ちた経験について尋ねる項目では「何度もある（33.7％）」「1回はある（20.5％）」を合わせた54.2％が、上司との1on1によって仕事に対するモチベーションが落ちた経験があることが明らかになった。

1on1でモチベーションが落ちた理由

自由記述での回答を求めた「モチベーションが落ちた理由」には「上司の発言、態度」「業務内容、仕事への理解」「自分の評価、待遇」「コミュニケーション」などに関連するものが挙げられたという。ここでは一部を抜粋して紹介する。

上司の発言、態度について
・否定やダメ出しばかりされた
・上司から興味ややる気を感じられなかった
・威圧的な態度やパワハラ発言があった
・上司ばかり話していた

業務内容、仕事への理解について
・業務の進捗に対する認識の相違
・上司が業務内容を理解していなかった
・業務支援を拒否された
・あまりに近視的で中長期的な戦略を持っていない

自分の評価、待遇について
・努力や頑張りを正当に評価されなかった
・思っていたよりも低い評価を受けた
・思っていることと違う視点で評価されたとき
・自分にとって達成が困難なことを求められたとき

コミュニケーションについて
・上司が相談を適当にあしらった
・上司の傾聴力が低く、議論がかみ合わなかった
・こちらの意図をきちんとくみ取ってもらえなかった
・言ったことをさえぎられ、自分の意見を押し付けられた

まとめ

人材育成において1on1の実施に注力している企業も少なくないだろう。しかし内容が伴っていなければ、かえって部下の熱意やモチベーションを下げる要因となりかねないことが示唆された。

部下が1on1において何を望むのかを理解して取り組まなければ、そこにすれ違いが生まれてしまう。人事部門担当者は1on1を実施する上司側に向けて、スキルアップの機会を設けていくことが重要だろう。株式会社ジェイック執行役員 兼 株式会社Kakedas取締役の東宮美樹氏は、上司のスキルアップと同時に取り組むべきこととして「人事による1on1、キャリア支援の仕掛け、相談窓口、また社外1on1やキャリア面談など、管理職ひとりにメンバーのフォローを依存しない体制づくりも大切です」と提言している。参考にしていただきたい。